2019年11月30日、国立競技場が竣工した。設計・施工者である大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体(JV)が、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に施設を引き渡した。整備費は約1569億円。政府が15年8月の整備計画で示した上限の1590億円を下回った。

11月30日に竣工を迎えた国立競技場の内観。上部の客席でも臨場感を味わえるように3層のスタンドにした(写真:日本スポーツ振興センター)
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南側から見た外観。奥に見えるのがチケットカウンター(写真:日本スポーツ振興センター)
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 競技場の延べ面積は約19万2000m2。「杜(もり)のスタジアム」をコンセプトとし、屋根や軒庇(ひさし)など施設全体で約2000m3の木材を使用した。客席の頭上は、長さ約60mも張り出した大屋根で覆った。

フィールドからスタンドを見上げる。客席は全部で6万席。「こもれび」をイメージしてランダムに配色した(写真:日本スポーツ振興センター)
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 整備費の内訳は、賃金・物価変動による増額分、五輪後の公園整備の見込み額などを含む工事費が約1529億円、設計・監理などの費用が約40億円だ。整備費の半分は国費で賄い、残りは東京都とスポーツ振興くじ(toto)の収益でそれぞれ4分の1ずつ負担する。

選手がフィールドへ向かうときに通る「フラッシュインタビューゾーン」。行灯(あんどん)をイメージした照明を下げた(写真:日本スポーツ振興センター)
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日本の様々な情報を紹介する「情報の庭」と呼ぶスペース。照明は曲線状のLEDを使用し、蛍が飛ぶときの光の軌跡を表現した(写真:日本スポーツ振興センター)
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 JSCは当初、12年の国際デザイン・コンクールで選んだ英国のザハ・ハディド・アーキテクツの案を基に設計を進めていた。コンクールの募集要項では工事費を1300億円程度としていたが、15年7月には2520億円に膨れ上がった。このため、安倍晋三首相が白紙撤回を表明。改めて公募型プロポーザルを行い、同年12月に大成建設JVを設計・施工者に選んで再スタートを切った。

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