国土交通省と経済産業省は2019年10月24日、合同会議を開き、建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)などに関する政省令案などをとりまとめた。11月に一部を公布、施行する予定だ。

国土交通省と経済産業省が2019年10月24日に開いた合同会議の様子(写真:日経アーキテクチュア)
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 合同会議では、19年5月17日に公布された改正建築物省エネ法を受け、省エネ基準の見直しについて検討してきた。国交省は合同会議での議論を踏まえた政令などの案を公表し、9月5日から10月4日にかけて意見を公募。パブリックコメントを受けて一部を修正し、合同会議で報告した。

 11月に施行される主な項目は、(1)注文戸建て住宅および賃貸アパートの住宅トップランナー制度への追加、(2)共同住宅などに係る届け出義務制度の審査手続きの合理化、(3)複数建築物連携型プロジェクトを容積率特例制度の対象へ追加――の3つだ。

改正建築物省エネ法の施行に伴い、省エネ基準を見直す(資料:国土交通省の資料を基に本誌が作成)
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 現行の住宅トップランナー制度は、建て売り戸建て住宅を年間150戸以上供給する住宅事業者を対象としている。11月の施行日からは、1年間に戸建て住宅300戸、長屋や共同住宅1000戸以上を供給する事業者も対象になる。大手住宅事業者に対し、省エネ基準を上回る性能の住宅供給を義務付け、新築住宅全体の省エネ性能の向上を図ることが目的だ。

 届け出義務制度の審査手続きの合理化で、共同住宅の外皮基準を住棟全体で評価できるようにする。また、簡易な評価方法を追加。各フロアの基本情報などを基に各住戸を単純化し、住棟全体の省エネ性能を評価できるようになる。さらに、共用部分については、1次エネルギー基準の評価に含まなくてよいこととする。

共同住宅の省エネ性能を簡易に評価する方法を追加。申請者と審査者の負担軽減を狙う(資料:国土交通省)
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 また、地域の気候や風土に応じた住宅であるために外皮基準に適合させることが難しい仕様の例を告示で定める。外壁の過半以上が両面を真壁造りとした土塗り壁であるものなどを例示する予定だ。さらに、例にないものでも、行政庁が地域の特性を踏まえた仕様を認めることができることを告示で定める。

 複数の建築物の省エネ性能を総合的に評価する方法も追加する。改正法で性能向上計画認定制度の対象を拡充し、複数の建築物で高い省エネ性能を目指す場合を加えた。こうしたプロジェクトでのコージェネレーション設備など高効率熱源の整備費について支援する方針だ。

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