国土交通省が設置した住宅瑕疵担保履行法(以下、履行法)に関する検討会(座長=犬塚浩弁護士)は2019年10月15日、最後の会合を開催し、制度運用の見直しを求める報告書案をまとめた。2019年10月に履行法の本格施行後10年が経過することから、2018年7月から1年以上かけて制度を点検していた。報告書案は住宅トラブルのさらなる抑止のため、現場検査を巡る制度運用の見直しや新技術の活用などを提言した。

国土交通省が設置した住宅瑕疵担保履行法に関する検討会
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 履行法は構造計算書偽造事件の教訓を踏まえ、住宅供給者の破綻による消費者被害を防ぐ目的で2007年に成立し、2009年に全面施行した。報告書案は「消費者保護の必要性は現時点でも変わらない。基本的な制度の枠組みは維持すべき」と前置きしたうえで、現状の課題を整理した。

 大きな論点となったのが現場検査など品質管理の在り方だ。検討会はそうした点についてワーキンググループ(WG)を別途設置して検討を進めた。

設計施工基準の周知が必要

 検討会の検査WGが取り上げた論点では特に、「雨水の侵入を防止する部分」の事故(雨漏り)対策が注目される。

 雨漏りは、新築住宅向けの住宅瑕疵担保責任保険(以下、1号保険)、中古住宅向けの既存住宅売買瑕疵保険(以下、2号保険)とも割合が多い。1号保険の場合で過去10年間における保険金支払い事故の約80%が雨漏りだった。

 WGの報告書ではまず新築について「一部の事業者で繰り返し事故が発生する傾向にある」と指摘。保険法人による設計施工基準の周知やこれまでより詳細な仕様の明示が必要だとした。また、各保険法人がオプションとして実施している追加防水検査には一定の効果が認められるとし、有用性をアピールすべきだとした。

 中古住宅では加入時に目視を中心とした検査(一次的インスペクション)を実施し、不具合を補修しなければ保険加入できない仕組みだが、WG報告書は「適切な補修が行われていない可能性」があるとし、対策として適切な補修方法の情報収集を挙げた。また一次的インスペクションより踏み込んだ、一部破壊検査を含む「二次的インスペクション」のガイドラインを策定すべきだと提言した。

 この他、住宅履歴情報などの活用による2号保険の検査省力化、コンクリート圧縮強度試験結果の共有など共同住宅の共用部分検査の合理化、ドローンやサーモグラフィーなど新技術による検査手法への公的支援なども必要だとした。

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