台風15号で屋根や壁が被災し、ブルーシートで応急処置する作業が大量に発生している。NPO法人災害救援レスキューアシスト(大阪府茨木市)の中島武志代表理事は屋根ふき材の工事などを以前手掛け、現在は台風15号の被災地でブルーシート張りの支援活動と作業員育成のリーダーを務める。中島代表理事に支援体制づくりの課題を聞いた。

NPO法人災害救援レスキューアシスト(大阪府茨木市)の中島武志代表理事。2016年に任意団体で要配慮者支援レスキューアシストを立ち上げた後、19年にNPO法人として現在の団体を設立した。台風15号による住宅被害が発生してからは、鴨川市災害ボランティアセンターを拠点として支援活動に当たっている(写真:日経 xTECH)
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台風15号による千葉県内の被災地では、誰を対象にどのようなブルーシートの張り方を教えているのか?

中島 台風15号による住宅被害の発生後、千葉県鴨川市に活動拠点を構え、屋根のブルーシートの張り方講習会をこれまで20回以上実施した(10月8日時点)。地元の工務店や社会福祉協議会に頼まれて建築関係者やボランティア、地元住民のほか、被災地以外から応援で派遣された消防士や自衛隊にも教えた。

中島代表理事による屋根のシート張り講習会を伝える案内。日本レスキューボランティアセンターが被災の著しい南房総市で9月22日に開催した際のもの。80名以上が参加した(資料:災害救援レスキューアシスト)
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屋根のブルーシート張り講習会の様子(写真:災害救援レスキューアシスト)
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 屋根にブルーシートを張る方法は作業員や作業状況に応じて7、8種類を考案し、動画サイトのYouTubeなどで一部を公開している。

 建築関係者の参考にしてほしいのは「新茨木方式」だ。土のう袋を使わずに桟木でブルーシートを抑える方法で、昨年9月の台風21号で被災した住宅に初めて導入した。桟木の加工やネジ留めの工具が必要になるので、工具を持つ建築関係者向きだ。

 台風で屋根に張ったブルーシートが土のう袋ごと飛んで、50m先の住宅の窓ガラスを割って家の中に飛び込む事故が発生した。土のう袋の落下や飛散が近隣住民や住宅やに損害を与えた場合の法的責任は、原則的に土のう袋を載せていた住宅の所有者に生じる。ボランティアの活動が住宅所有者に迷惑をかけることになってはいけないので、より安全な方法を考えた。この張り方で、1年以上経過しても雨漏りすることなく持ちこたえていることが実証できている。

「新茨木方式」によるブルーシートの張り方を伝える動画(動画:災害救援レスキューアシスト)

 工具を持たず、短時間で多くの住宅の支援を命じられた自衛隊には、ブルーシートと土のう袋、ひも、防水テープだけでシートに風が吹き込まないように建物の四周を抑えられる「自衛隊方式」を教えた。

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