住宅や橋を“印刷”する海外勢と比べると、出遅れ感の強かった日本の建設3Dプリンター。そこから頭一つ抜け出たのが、大林組が2019年8月29日に発表した技術だ。3Dプリンターを活用し、2種類のセメント系材料を一体化して構造物をつくる技術を開発した。曲面型枠や鉄筋を使わずに、圧縮強度と引張強度を兼ね備えた自由な形態の構造物を製造できる。

2019年8月29日、大林組が発表した3Dプリンター。セメント系材料を用いて国内最大規模の構造物を製造できる。自動車工場などで使用されている産業用のロボットアームを活用。製造中の部材は、ロボットアームの腕が届く最大範囲で設計した。ロボット自体をレール上で動かせるようにすれば、さらに大型の部材も製造できる(動画:日経 xTECH)

 大林組の技術研究所で同日、完成すると全長約7m、幅約5m、高さ約2.5mとなる「シェル型ベンチ」を3Dプリンターで製造している様子を報道陣に公開。大林組によると、セメント系材料を用いた3Dプリンターによる構造物としては、国内最大規模となる。10月末の完成を目指す。

 大林組技術研究所長で技術本部副本部長の勝俣英雄執行役員は会見で、「技術的には土木構造物や建築物の構造体などを製造できるところまできている」と手応えを語った。

大林組技術研究所の敷地内で施工中の「シェル型ベンチ」(写真:日経 アーキテクチュア)
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