海外では20年以上前から使われながら、日本未上陸だった知る人ぞ知る技術がある。工期やコストを抑えつつ、なめらかな3次元曲面のファサードを実現できる「コールドベント」だ。大林組が日本で初めて実践した。

 平らなガラスを常温で強制的に曲げる──。「コールドベント」とは、建設現場でユニットカーテンウオールをねじりながら取り付け、3次元曲面のファサードをつくり出す技術だ。

日本で初めてコールドベントを適用した建物のファサード(写真:大林組)
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コールドベントファサードの概念図。ユニットカーテンウオールを現場で強制的にねじり、3次元曲面をつくり出す(資料:大林組の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 欧米や中東、東南アジアなど世界各国で既に多数の実績があるが、日本ではいまだに適用例はなかった。日本ではガラスとアルミフレームを分けて施工するノックダウン方式をベースに技術が進化してきたためだ。

 大林組は、カーテンウオールメーカーのパルマスティーリザ・ジャパンの協力を得て安全性などを検証し、日本初適用にこぎ着けた。

 コールドベントを適用した建物は、4月に竣工した地下1階・地上14階建ての「JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE(ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア)」。鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造・鉄筋コンクリート(RC)造で、延べ面積は約1万9060m2。設計は三菱地所設計が手掛けた。発注者は日本スポーツ協会(JSPO)と日本オリンピック委員会(JOC)。両協会をはじめ、60以上のスポーツ関係団体のオフィスが入居する。

 使用したユニットカーテンウオール533枚のうち北面の約500枚にコールドベントを適用している。

「ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア」を足元から見上げる。発注者は日本スポーツ協会と日本オリンピック委員会。設計は三菱地所設計が手掛けた。3次元曲面のファサードで、スポーツの「動き」を表現した(写真:日経アーキテクチュア)
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