部屋に入ると目に飛び込んでくる、様々な形をしたテーブルや椅子、そして植物の緑──。

 ここは、オカムラやダイキン工業、東京海上日動火災保険、ライオン、MyCity(東京都千代田区)、アサヒビール、TOA、TOTO、パナソニックの9社が共同で、未来のオフィス空間を検証する新施設「point 0 marunouchi(ポイント ゼロ マルノウチ)」である。

協創空間「point 0 marunouchi(ポイント ゼロ マルノウチ)」の入り口側から見た部屋の様子。床の赤色の丸印は、床下空調の通気口(写真:日経アーキテクチュア)
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 名前の通り、東京・丸の内にあるビルの一角に位置する。新設したオフィス空間の面積は1082m2で、220席を備える。2019年7月16日から実験を開始した。運営はpoint0(東京都千代田区)が担う。なお、他の企業も会費を払えば、サテライトオフィスとして利用できるようになる。

参加企業9社と、内装デザインを担当したクライン ダイサム アーキテクツ(KDa)の面々(写真:日経アーキテクチュア)
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 ルームエアコンの製造・販売で競合するダイキン工業とパナソニックが同じ部屋で協創するという組み合わせが、まず面白い。しかもダイキン工業の稼ぎ頭である業務用や大型の空調機器事業で最大のライバルである三菱電機の本社を含む、丸の内エリアの「三菱村」に協創空間を構えたのは意図的なのか、気になるところだ。

 もっとも、このエリアは多くの企業が本社やオフィスを構える、日本を代表するビジネス街。未来のオフィス空間を考えるにはうってつけの場所であることは間違いない。国を挙げたビジネスパーソンの働き方改革に伴うワークスタイルの変化を、IoT(モノのインターネット)プラットフォームを備えた協創施設でデータに基づきながら徹底検証していく。

 参加する企業の顔ぶれはかなり多彩で、バラエティーに富む。電機からオフィス家具、洗面・浴室などの水回り、音響機器、飲料、日用品、保険、ヘルスケアに至るまで、バラバラなメンバーがそろう。その一部に競い合う事業領域があったとしても、「一緒になって未来のオフィス空間づくりを考えるメリットの方が大きい」。協創プラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)」を先導するダイキン工業の米田裕二執行役員テクノロジー・イノベーションセンター長は、そう説明する。本プロジェクトは、そのCRESNECTの第1弾の位置付けとなる。

協創の重要性を訴える、ダイキン工業の米田裕二執行役員テクノロジー・イノベーションセンター長(写真:日経アーキテクチュア、資料:ダイキン工業)
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 パナソニックも同じだ。他社の人たちと同じ部屋で働くことで「新しい空間ソリューションの知見をためて、世の中に提案していきたい」(パナソニック ライフソリューションズ社の岡秀幸常務技術本部長)

パナソニックが考える、協創による空間ソリューションの創出(資料:パナソニック)
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 各社がpoint 0 marunouchiで検証したいことは一口に未来のオフィス空間づくりと言っても、個別に見れば内容は違ってきてもおかしくない。様々な要望が空間設計の段階で出てくるのは確実だ。そして何より、働きやすくて、快適な空間でなければならない。

 そこで内装デザインは、カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する複合型店舗「代官山 T-SITE」や、米グーグル(Google)日本法人のオフィスデザイン(六本木所在時)などを手掛けたことで知られる、経験豊富なクライン ダイサム アーキテクツ(KDa、東京都渋谷区)が担当した。

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