建物の外壁の写真をアップロードして判定ボタンをタップするだけで、「名探偵ジェイ君」が仕上げ材の種類を言い当てる。そんなスマホアプリ「J-Brain-外壁の仕上材判定AI」をご存じだろうか。

「J-Brain-外壁の仕上材判定AI」が仕上げ材を判定するまでの流れ。利用者は、建物の外観を撮影するだけでいい。「名探偵ジェイ君」が瞬時に判定する(資料:ジャストの資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 このアプリを開発したのは、年間3000棟以上もの構造物の調査・診断業務を手掛けるジャスト(横浜市)だ。これまでに蓄積してきた調査データと検査ノウハウを生かして自社の業務を効率化できないかと考え、人工知能(AI)を活用する「J-Brain(ジェイブレイン)」と呼ぶプロジェクトを2018年に立ち上げた。

 そのスピード感には目を見張るものがある。AI人材の確保に奔走し、6人のIT技術者を獲得。プロジェクトの始動からわずか1年で矢継ぎ早に開発を進めた。上述の仕上げ材判定アプリや、鉄筋コンクリート(RC)造の壁のコア抜き可否診断、工場の屋根面におけるさびの自動検出など、調査・診断に活用できるAI技術を複数リリースした。

鉄筋コンクリート(RC)造の壁のコア抜きが可能かどうか、AIが判断する。RC造の壁のX線診断では、鉄筋が薄く写り、誤って切断してしまうケースがあった(資料:ジャストの資料を日経アーキテクチュアが加筆)
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 プロジェクトを率いるジャストの角田賢明取締役は、「部材種別の判定や劣化判定を自動化するAIも開発中だ。例えば、さびを検出するか、さびの領域を検出するか、劣化度まで検出するかによってアウトプットや精度が異なる。様々な目的に応じた技術を開発し、人材不足や業務効率化といった課題の解決につなげたい」と語る。

 わずか1年で様々なAIを開発できたのには理由がある。AIの活用には、精度の高い教師データを作成することが重要だ。この作業には相当な労力がかかる。「検査ノウハウを熟知した人材を多く抱え、過去の調査データが豊富にあったからこそ、精度の高いデータを作成できた」(角田取締役)

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