建物の規模と比例して、ダクトや配管といった部材の数が増える建設現場。作業員は、図面や電子機器に取り込んだデータと現場の状況を照らし合わせながら、部材が適切な場所に設置されているかを確認しなければならない。管理が不十分だと、部材の紛失や非効率な仮置き、誤設置などを引き起こし、工程に遅れが生じてしまう。

 建設現場での作業負担やリスクを軽減できないか――。ダイダン(大阪市)は早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科の石田航星講師と共同で、人工知能(AI)を使って映像から部材IDを自動認識する技術を開発している。建設現場を3次元モデル化する写真測量技術と組み合わせ、AIが認識した部材IDを基に設置箇所をモデル上に表示する。部材の誤設置を防ぐだけでなく、部材管理の負担を大幅に減らせる。

部材の設置箇所を表示するまでの流れ。カメラで部材IDを撮影するだけでAIが部材IDを読み取り、3次元モデル上に設置箇所を示す(資料:ダイダンの資料に日経アーキテクチュアが加筆)
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 作業員は、部材IDをカメラで撮影するだけでいい。AIは映像から部材IDを認識し、部材の設置箇所や形状を記録した属性データと照合する。属性データを基に、部材の設置箇所を3次元モデル上に示す。部材IDの認識から設置箇所の表示までは瞬時に行う。梱包材に部材IDを貼り付けることで、仮置き場から設置箇所への移動も容易になる。

 ダイダンイノベーション本部技術研究所基盤技術課の中野一樹・主管研究員は「これまでにもQRコードで部材の設置箇所を把握する技術はあったが、一つひとつを読み取るのに手間がかかった。AIの活用でその手間を省略できる」と語る。

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