2018年9月に発生した北海道胆振東部地震で被災した築48年の空きビルに対し、北海道室蘭市が「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空き家法)に基づき解体の略式代執行を実行する。19年5月24日に解体事業委託の入札を公告した。略式代執行の目的はアスベストの飛散やさらなる崩落などの危険を排除することだ。空き家法に基づく非住宅ビルの解体は珍しい。

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北海道胆振東部地震直後のサトウビルの様子。鉄骨造4階建てで、東側の外壁が前面道路に落下した(写真:室蘭市)

 解体するのは鉄骨造4階建ての「サトウビル」。かつて商業ビルとして使われていた建物だ。北海道胆振東部地震の影響で、ビル外壁の一部が市道へ落下した。室蘭市は建物内部での内装材落下やアスベストを含有する耐火被覆材の剥落を確認し、開口部分を塞ぐなど応急対策を施した。こうした応急対策や調査の費用1026万円は市が負担した。19年5月24日に空き家法に基づき除却の命令を所有者などに公告。措置期限の19年6月24日から解体事業者の入札参加表明を受け付ける。

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北海道室蘭市が応急対策をした後のサトウビルの様子。外壁や外装材の落下で露出した部分や開口部などを塞いでいる(資料:室蘭市)

 サトウビルでは08年に外部のはしごが落下。その後も窓ガラスの破損など事故が発生するたびに市が応急対応していた。17年7月に空き家法に基づき特定空き家等として認定した。

 空き家法では、「空き家等」と「特定空き家等」の2つを定義している。「空き家等」とは、建築物や建築物に付属する工作物で、居住などの使用のない状況が常態化しているものとその敷地のことだ。建築物は建築基準法の定義と同様で、用途を限定していない。

 「特定空き家等」とはそのまま放置すれば(1)倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態、(2)著しく衛生上有害となる恐れのある状態、(3)適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態、(4)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態――にあるものをいう。市町村長が特定空き家等に認定したものは、立ち入り調査や代執行の措置などが実施できる。

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