レオパレス21の施工不備を巡る問題で、外部調査委員会が最終報告書を発表した。ワンマン体制や、法令順守の意識が低い実態などが露呈。同社の経営陣は一斉退任した。建築確認・検査制度の本質が問われている。

 「企業風土の改革には、体制の刷新が一番必要と判断した」。レオパレス21は2019年5月29日に会見を開き、創業家一族で社長を務めていた深山英世氏を含む社内取締役7人の退任を発表した。新社長には、取締役常務執行役員だった宮尾文也氏が、同月30日付で就任。冒頭の言葉は、経営陣交代の理由について宮尾氏が述べたものだ。退任した深山英世氏は、相談役に就く予定だ。

2019年5月29日、レオパレス21が会見を開いた。左から順に、取締役常務執行役員(会見時、以下同)の宮尾文也氏、代表取締役社長の深山英世氏、施工不備問題緊急対策本部責任者の蘆田茂氏、同部副責任者の平坂弘幸氏。深山氏は、「報告書はその通りだと思う。だが、自分の思いは若干違う」と弁明した(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

 会見前には、外部調査委員会(委員長:伊藤鉄男・西村あさひ法律事務所弁護士)が最終報告書を公表した。施工不備の問題全体にかかる本質的な原因・背景を、(1)事業拡大を最優先したこと、(2)ワンマン体制に陥ったこと、(3)順法意識が低く、当事者意識も欠如していたこと、と結論付けた。

外部調査委員会は、レオパレス21の施工不備問題について大きく3つの原因・背景があると結論付けた(資料:外部調査委員会の最終報告書を基に日経アーキテクチュアが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 責任の所在は、商品開発担当者らにもあるが、当時の社長で、創業者の深山祐助氏に落ち度があるとした。法令順守の意識が低く、十分な体制を整えなかったという理由だ。ただし、同氏が意図的に違法行為を指示した事実までは認められなかった。

 さらに、同社が裁判や稟議(りんぎ)などを通じて施工不備の指摘を受けていながら、早期発見や対応を怠ったことにも言及。「歴代の経営陣にも責任がある」とした。

外部調査委員会も19年5月29日に会見を開き、最終報告書を公表した。委員会は、西村あさひ法律事務所の弁護士3人で構成。写真中央が、委員長の伊藤鉄男弁護士(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

 施工不備は、同社が開発や設計などを手掛けたアパートで、18年4月以降に次々と発覚。内容は、小屋裏などに界壁を施工していない、界壁の内部充填材に発泡ウレタンを使い告示の仕様に適合していない、などだ。

 同社によると、4月30日時点で調査済みの2万1277棟のうち、約7割で小屋裏などに界壁の不備が見つかった。そのうち不備が多数発覚した「ゴールドネイル」は1994年に販売開始した商品だ。コスト削減を強く意識し、同社がツーバイフォー工法を初めて採用したアパートだった。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら