住環境研究所(東京都千代田区)は、自然災害の被災経験がある25歳以上の既婚者層を対象に「防災・災害意識と住まい調査」を実施し、その結果を2019年5月15日に発表した。同研究所は、積水化学工業住宅カンパニーの調査研究機関。「過去5年以内に戸建ての持ち家を取得済みの人(持ち家取得者)」と「向こう1年以内に持ち家の取得を計画している人(取得計画者)」に、被災時の経験を問うアンケートをインターネット経由で実施した。調査対象の居住エリアは沖縄県を除く全国で、調査期間は19年2月末から3月初旬までの約1週間。有効回答は1403件。

 近年は地震や風水害など大型自然災害が頻発する傾向が目立っており、住環境に「安心」や「安全」を求める住まい手のニーズが急速に高まってきた。被災経験者を対象にした同調査でも、停電や断水といったライフラインの遮断など、実体験を踏まえて住まいに「災害対応力」を求めるニーズが顕著に表れている。

 調査結果によると、回答者が経験した災害で最も多かったのは「地震」で、全体の約84%(他の災害との複数回答を含む、以下同)。次いで「台風」が約43%、「水害」が23%。被災した時期は回答者によって様々で、例えば回答者が経験した地震で最も古かったのは阪神・淡路大震災だった。被災時に「停電を経験した」と答えた回答者は、全体の70%。停電の経験の有無を災害別に整理すると、地震の被災経験者が85%、水害と台風がそれぞれ69%という内訳だった。また「断水を経験した」は全体の43%で、災害別では地震で64%、水害で43%、台風で29%という内訳だった。

災害時に困ったこと
被災時に困ったことでは、断水経験者の「自宅の水洗トイレが使えない」(38.5%)が突出して目立つ(資料:住環境研究所の資料を基に日経 xTECHが作成)
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 「災害時に困ったこと」を問う設問では上のグラフのように、全体では「家の片付け、掃除」が26.6%と、「特になし」を除くと最多だった。次いで「停電、計画停電などで自宅の電気が使えない」(25.7%)、「食料の入手」(25.0%)、「飲み水の入手」(23.3%)、「自宅の水洗トイレが使えない」(23.2%)という順番だった。

 これらを「停電経験者」「断水経験者」に分けて整理すると、停電経験者では、「停電、計画停電で自宅の電気が使えない」(31.2%)や「食料の入手」(29.0%)、「家の片付け、掃除」(28.1%)などが回答上位を占めた。その一方、断水経験者の場合は「自宅の水洗トイレが使えない」(38.5%)や「飲み水の入手」(37.4%)、「食料の入手」(34.2%)などが上位に並んだ。

 調査では、「災害時に困ったこと」と同じ選択肢で、「日ごろから備えていたため、災害時に回避できたこと」も聞いている。後者の設問で回答ポイントが多かったのは、「飲み水の入手」を筆頭に、「食料の入手」「トイレットペーパーやおむつなど日用品の入手」「TV、ラジオ、スマホでの情報収集」「スマホの充電、電源の確保」という順番だった。日ごろから手軽に入手できる物品は、平時から備える人が多いという傾向が見て取れる。

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