パリ・ルーブル美術館のガラスのピラミッドなどを設計し、「幾何学の魔術師」と称された米国人建築家のイオ・ミン・ペイ(I・M・ペイ)氏が、2019年5月16日に102歳で亡くなった。ペイ氏がディテールの重要さや建築との向き合い方について語った日経アーキテクチュアによる02年のインタビューを再録する。

I・M・ペイ氏(写真:Pei Cobb Freed & Partners)
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 1917年に中国で生まれたペイ氏は、米マサチューセッツ工科大学、米ハーバード大学デザイン大学院で建築を学んだ。54年に米国籍を取得し、55年にI.M.ペイ&アソシエイツを設立した(65年にI.M.ペイ&パートナーズに変更)。83年にプリツカー賞を受賞している。

 大胆さと繊細さを併せ持つ建築を世に送りだしたペイ氏。その代表作が、フランス・パリのルーブル美術館の中庭に設計したガラスのピラミッドだ。89年に完成した同プロジェクトは、ガラスと金属による軽やかで幾何学的な構造物と、重厚な歴史的建造物であるルーブル宮殿との対比が話題を呼んだ。

I・M・ペイ氏の代表作として知られるルーブル美術館のガラスのピラミッド(写真:木村 駿)
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 ペイ氏と日本の関係は意外に深い。80年代に「東京国際フォーラム」の国際コンペで審査員を務めた他、96年には宗教法人神慈秀明会の依頼で設計した「MIHO MUSEUM(ミホ・ミュージアム)」が、滋賀県甲賀市信楽町の山中に完成している。

 MIHO MUSEUMは、中国の詩人である陶淵明の「桃花源記」に描かれた桃源郷がモチーフ。トンネルを抜け、斜張橋を渡って美術館にたどり着くという壮大な演出や、ディテールを突き詰めたスペースフレームの屋根など、見どころが多い。

 以降に、MIHO MUSEUMのアプローチ橋が国際構造工学会の優秀構造賞を受賞したことを受けてペイ氏が2002年に来日した際の談話を掲載する。

MIHO MUSEUMのエントランス(写真:木村 駿)
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MIHO MUSEUMのアプローチ橋(写真:木村 駿)
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