災害発生後、被災者に1日でも早く住居を提供することを目的とした応急仮設住宅。熊本大学大学院先端科学研究部の大西康伸准教授は、応急仮設住宅団地の配置計画を自動作成するプログラムを開発した。大和ハウスグループと協力して検証した結果、約1時間で配置計画案を作成できると分かった。2019年度から現場での試用を進め、21年の運用開始を目指す。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用した応急仮設住宅の配置計画作成の流れ。敷地境界線データを読み込むだけで配置計画案を作成する。幹線道路や駐車場の配置、住戸の戸数などを自動で調整する(資料:大和ハウス工業)
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 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用した同プログラムは、プレハブ形式の応急仮設住宅が対象だ。プレハブ建築協会が作成した災害発生時の団地整備マニュアルをプログラム化した。敷地境界線データを読み込むだけで住戸や駐車場、幹線道路を自動配置し、マニュアルの基準を満たした計画案を作成する。2時間程度の講習を受ければ、BIMの活用経験がなくても簡単に使用できる。

配置計画案の作成手順。上は現在の手法、下は熊本大学の大西康伸准教授が提案する手法(資料:大和ハウス工業)
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BIMを活用した自動作成プログラムの操作画面(資料:大和ハウス工業)
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 集会所や設備のためのスペースを追加で設けたい場合は、配置したい場所を操作画面上で指し示すだけでいい。計画変更に伴い、住戸や駐車場などを自動で再配置する。計画案の作成時に、住戸や駐車場の数量などを記載した集計表も自動で作成できる。

 配置や数量を3次元モデルで即座に可視化することによって、関係者がイメージを共有しながら配置計画を作成できるのもメリットだ。「計画案の修正や承認に時間をかけず、意見を出し合いながらその場で合意形成を図れる」(大西准教授)

自動作成した配置計画案の外観パース。3次元モデルで配置計画を可視化することによって、関係者がイメージを共有し、その場で合意形成を図れる(資料:大和ハウス工業)
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