東京大学大学院工学系研究科に所属する建築家の隈研吾氏が、2020年3月に同大の教授を退職する。そこで2019年4月から10回に及ぶ最終連続講義「工業化社会の後にくるもの」を開催する。その1回目が東大の本郷キャンパスにある安田講堂で、4月20日に開かれた。

 講義は隈氏にゆかりのある人を毎回ゲストに招き、トークを展開する形式で実施される予定だ。初回の登壇者は、隈氏の大学院時代の恩師である東大名誉教授の原広司氏と、隈氏と親交が深い東大助教のセン・クアン氏。

 テーマは「集落から始まった」。2時間半のセッションでは、これまであまり語られてこなかった隈氏の東大大学院時代のエピソードと、原氏から受けた影響が語られた。

2020年3月に東大教授を退職する隈研吾氏(左)が、2019年4月から10回に及ぶ最終連続講義を開催。1回目のゲストは隈氏の大学院時代の恩師である東大名誉教授の原広司氏(中央)と、隈氏と親交が深い東大助教のセン・クアン氏(右)(写真:日経アーキテクチュア)
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 話題は、隈氏が東大生産技術研究所の原研究室に在籍していた大学院時代の強烈な体験「西アフリカ集落調査」に終始した。1978年、サハラ砂漠を北から南に車2台で縦断しながら、合計100カ所ほどの集落を訪れては原氏が村の図面を描くというものだ。学生だった隈氏は写真を撮るなどの手伝いをした。

後ろに投映された写真は、隈氏が大学院時代に原氏に同行した西アフリカでの集落調査のスナップ。車2台でサハラ砂漠を駆け抜けた。右端が原氏、中央が隈氏(写真:日経アーキテクチュア)
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西アフリカ集落調査のルート。1日に2カ所という驚異的なスピードで村を回り、原氏が集落全体をスケッチしていった(写真:日経アーキテクチュア)
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 振り返ってみると、隈氏は原氏に同行した過酷なアフリカの旅で、現在につながる自身の仕事のスタイルを確立するきっかけをつかんだと語る。そのため「どうしても1回目のゲストには、原先生に来てほしかった」という。

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