2016年4月に発生した熊本地震から3年。熊本県甲佐町で災害公営住宅「甲佐町営甲佐団地」が19年3月に完成し、同年4月1日から入居を開始した。約1万2800m2の敷地に、公営住宅の他にも子育て支援住宅「ヴェルデ甲佐」や公園を一体的に整備し、町民の交流拠点とする位置付けだ。県は「くまもとアートポリス事業」の1つとして計画を進めた。

敷地東側の丘陵地から見た甲佐町営甲佐団地。災害公営住宅の部分は19年4月1日から入居開始した。クレーンの右手に見えるのが、2019年夏に竣工予定の子育て支援住宅「ヴェルデ甲佐」の工事現場(写真:岡野道子建築設計事務所)
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 甲佐町は熊本市から南東へ約20kmの場所に位置し、町の中央を一級河川の緑川が流れている。甲佐団地が計画された甲佐町の豊内エリアは、阿蘇山と緑川に挟まれ、南南東から卓越風が吹く。もともと水田だった敷地に新たに建てられた甲佐団地は、配置計画にこの風を生かした。

 災害公営住宅は2戸1棟の長屋形式で、全部で15棟30戸を整備した。各棟は、敷地を南北に貫く「風の道」から枝分かれした小道に沿って立つ。軸線から少しずつずらして配置することで、住戸間の距離を確保しながら室内にうまく風を採り込んでいる。総事業費(子育て支援住宅や都市防災公園を除く)は、9億3793万7000円だ。

甲佐町営甲佐団地の全体配置図。南南東から吹く卓越風の通り道に沿って配置した。南北を貫く「風の道」が団地のメイン動線だ(資料:岡野道子建築設計事務所)
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各住戸に卓越風が穏やかに流れるように、住戸や植栽などの配置を検討した。図は、南側の住戸07、08をわずかに回転させると、南南東の風が吹いたときにそれを受け流し、中央に立つ住戸17、18の前面に風が流れることを確認したもの(資料:アラップ)
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