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炎に包まれたノートルダム大聖堂。高さ90mの尖塔と屋根が焼け落ち、ゴシック様式を代表する歴史的建造物の一部が失われた(写真:AFP/アフロ)
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 パリ有数の観光名所であるノートルダム寺院で、2019年4月15日午後6時50分ごろ(日本時間16日午前1時50分ごろ)、大規模な火災が発生した。12世紀から建造が始まったゴシック様式を代表する大聖堂は、年に約1300万人が訪れる。英メディアBBCによると、現場に駆けつけたエマニュエル・マクロン仏大統領は、「フランスの全国民と同じように、自分たちの一部が燃えているこの光景は悲しい」と述べた。

 この火災により、大聖堂の高さ約90mの尖塔と屋根が焼け落ちた。一方で、大聖堂の北棟と南棟など主要部分は無事だという。尖塔では修復工事が行われており、周囲には作業用の足場が掛けられていた。現在のところ出火原因は明らかになっていないが、仏メディアによると、消防当局が「火災は修復工事が関連している可能性がある」とみていることを報じている。

2018年10月に撮影したノートルダム大聖堂。尖塔では修復工事が行われており、周囲に作業用の足場が掛かっているのが確認できる(写真:日経アーキテクチュア)
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 修復作業中の建築物に対する初期消火の難しさについて、防耐火技術に詳しい早稲田大学創造理工学部建築学科の長谷見雄二教授は、「欧州では文化財に対する初期消火の体制をかなり強化しているはずだ。しかし、建造物が修復作業中の場合、屋内にほこりなどが舞うなかで確実に火災を感知できるかは分からない。修復期間中の防火に関しては未解決の課題が多い」と指摘する。

 初期消火は難しかったとしても、延焼を止められなかったのは、なぜか。防火研究を専門とする東京理科大学大学院の関澤愛教授は、「屋根を支える大量の木材が延焼した可能性がある」と指摘する。「5年ほど前に現地の防災担当者の招待で大聖堂の小屋裏を見学したが、大断面の構造用木材を多用したトラス構造だった」と言う。