住宅業界で不祥事が続いている。大和ハウス工業は2019年4月12日、同社が設計・施工、販売した戸建て住宅と賃貸集合住宅の2078棟で柱や基礎に不適切な部位があり、型式適合認定に適合しない設計や施工だったと発表した。型式適合認定を受けた建物は建築確認の審査が簡略化されるという利点がある。

 問題があったのは2000年から13年にかけて販売した全国30都府県に立つ物件。現在は約7000世帯が生活している。同期間に販売した商品は、戸建て住宅では「アイ-ウィッシュ」、賃貸集合住宅では「セジュール ウィルモア」の棟数が多かった。賃貸共同住宅については、2階廊下受け柱の一部で耐火性能が不十分なものもある。

大和ハウス工業は、設計・施工した戸建て住宅と賃貸共同住宅の一部で型式適合認定に合致しない建物があったと、2019年4月12日に開いた記者会見で説明した。写真手前は同社技術本部長の土田和人専務、奥が有吉善則常務(写真:共同通信)
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 問題の発覚は16年12月、内部通報がきっかけだった。経営陣が内部通報者と面談したのは17年2月。大野直竹前社長の時代だ。同時点で経営トップの耳にも情報は届いていた。内部通報者への聞き取りを中心に社内調査を進めていたが、同人物は18年6月末に依願退職した。18年7月、大和ハウス工業は社内で委員会を立ち上げて調査を続行。内部通報から2年以上が経過した19年2月に、告発のあった事案を国土交通省に説明し、同年3月に「型式適合認定に違反している恐れがある」と報告した。

 大和ハウス工業は、00年1月から19年3月末までに販売した戸建て住宅15万965棟、賃貸共同住宅7万929棟の合計22万1894棟を調査した。問題の発覚から発表までに時間がかかった理由について、会見に臨んだ大和ハウス工業技術本部長の土田和人代表取締役専務執行役員は、「対象となる棟数が22万棟と多く、すぐに調査する判断ができなかった」と弁明した。「対応の遅れにはガバナンスの問題があった。初期の動きが遅かったと痛感している」(土田専務)。

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