東京・銀座の中心に、新しい客室コンセプトのホテルが登場した。良品計画は2019年4月4日、世界旗艦店となる「無印良品 銀座」や「MUJI HOTEL GINZA(ムジ・ホテル・ギンザ)」などをオープン。MUJI HOTELは、良品計画が手掛けるホテルブランドで、同GINZAは18年に開業した中国・深圳や北京に続く世界3カ所目、国内では初出店となる。

東京・銀座で開業を迎えた「読売並木通りビル」の外観。建物には、「無印良品 銀座」「MUJI HOTEL GINZA」「MUJI Diner」が入っている(写真:日経アーキテクチュア)
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1階の店舗内観。地上1階のみ階高5.4mと高く、2~6階は階高4.75m。店舗部分はいずれも直天井としている(写真:日経アーキテクチュア)
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 建物の名称は「読売並木通りビル」。敷地面積は1342m2で、北西側の並木通りに面して店舗のガラスファサード、南東側の銀座レンガ通りに面してホテルエントランスなどを配置した。延べ面積は1万4241m2で、地下1階~地上6階の一部が店舗、地上6~10階がホテルだ。店舗面積は無印良品単独では世界最大の3981m2を占める。

上は、読売並木通りビル地上2階の平面図。下は地上1階の配置・平面図(提供:竹中工務店)
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読売並木通りビルの断面図(提供:竹中工務店)
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 発注者は読売新聞東京本社で、当初はオフィスビルとして計画を進めていた。その後に良品計画の入居が決まり、低層部は店舗、高層部はホテル客室へと用途を変更。建物全体の基本設計は石本建築事務所、実施設計・施工は竹中工務店、ホテルの内装設計、運営をUDS(東京都渋谷区)、店舗の内装をスーパーポテト(東京都世田谷区)が担当した。

 オフィスと想定していた建物をホテルに変更するには様々な工夫が必要だった。加えて、「将来、良品計画が撤退した場合も想定して、再び変更できる余地も残さなくてはならなかった」と、竹中工務店東京本店設計部設計3グループ長の千場忍氏は振り返る。

 例えば、店舗フロアの中央に据えたエスカレーターは良品計画の要望により、その横にある床を一部取り除いて吹き抜けにした。もしも将来にテナントが変わった場合、後から床を戻せるようにしている。また、店舗フロアのエレベーターは建物北側に寄せてワンフロアを広く使えるようにしているが、それについても要望に応じてエレベーターを建物中央に移し、フロアを小割りにして複数のテナントに貸し出す形へも変更可能な設計としている。

5階の店舗フロア内観。通りに対して建物の間口が長さ約50mに及び、ガラスからふんだんに光を採り込める(写真:日経アーキテクチュア)
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店舗フロアのエスカレーターと吹き抜け(写真:日経アーキテクチュア)
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 ホテルフロアでは、水回りを集約。元々オフィス仕様だったので、通路などから約15cm上げて排水管などのスペースを処理した。

水回り部分を通路などの床から15cm持ち上げて給排水を収めた(写真:日経アーキテクチュア)
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 千場氏は、同ビルが注目されている理由として次のように説明する。「今はインバウンド需要の高まりを受けて、銀座など都心部で数々のホテルが計画されている。一方で、インバウンド需要がいつまで続くか分からないと考える事業者も少なからずいるので、読売並木通りビルのようにオフィスビルとホテルのどちらにも利用できる設計は注目されているようだ」

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