三菱地所と岡山県真庭市、隈研吾建築都市設計事務所の3者は、東京・晴海に直交集成板(CLT)を使ったパビリオンなどの施設を建てる計画を2月14日に発表した。「CLT晴海プロジェクト」と名付けたこの事業では、3棟の仮設展示施設を2019年5月に着工し、9月までに完成させる。20年東京五輪開催後には解体し、真庭市の国立公園蒜山(ひるぜん)に移築。都心と地方をつなぐ地方創生の先駆的なモデルを示すと共に、CLTを用いた新たな構法に挑戦する。

三菱地所と隈研吾建築都市設計事務所、岡山県真庭市が明らかにしたパビリオン棟の完成イメージ。2019年9月に運営開始予定。平屋建てで、約17.5mの高さとする(資料:三菱地所)
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 敷地は、東京・晴海にある三菱地所が所有する土地で、広さ約6530m2に及ぶ。施設の建設には、その約半分を使用。三菱地所が事業主となり、設計・監理は三菱地所設計、デザイン監修を隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)、施工は三菱地所ホームが担う。施設は、19年9月から20年9月までの1年間、文化・情報発信拠点として運営。五輪開催後に施設は全て解体、移築し、21年5月から蒜山で観光や芸術・文化発信拠点として利用する。

 施設は地上1階建てのパビリオン棟と2階建ての屋内展示棟、1階建ての展示別棟から成る。総延べ面積は約1500m2。真庭市産の木材、合計約760m3を使い、パビリオン棟の梁の一部に強度のあるヒノキ材のCLTパネル、屋内展示棟と展示別棟の床や壁、屋根にはスギ材のCLTパネルを使う。

 CLTパネルを構造梁材に利用するのは、日本初の試みとなる。パビリオン棟は木造と鉄骨造の混構造で、全体の鉛直荷重は、鉄骨の通し柱が負担。鉄骨構造部材を補強するようにCLT梁が機能する。高さ約3.5mのCLTパネルを5層積み上げ、高さ約17.5mの建築とする。

東京・大手町の大手町パークビル1階に展示しているCLT梁のモックアップ。パビリオン棟で用いるものと同じようにつくられた原寸大模型。1枚のパネルは縦約3.5m×横約2mのサイズで、実際の建物ではこのユニットが5段積み重なる(写真:日経アーキテクチュア)
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 「国内において、CLTパネルを使った設計事例数は増加傾向にあるが、いずれも床材・壁材として採用している。梁材に採用した事例はまだない。大手デベロッパーのCLT利用の先駆けとして、持続可能な木造建築の普及を目指していきたい」と三菱地所住宅業務企画部の伊藤康敬氏は説明する。

CLTを構造梁の一部として利用(写真:日経アーキテクチュア)
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