免震・制振ダンパーの検査データ改ざん問題で、KYBは2019年2月13日、外部調査委員会(委員長:難波孝一・元東京高等裁判所判事、森・濱田松本法律事務所客員弁護士)がまとめた調査報告書と、それを受けた再発防止策を国土交通省へ提出。同日に公表した。同社や製造子会社のカヤバシステムマシナリー(カヤバ社)において、検査員や複数の経営幹部が不正を認識していた、受注を優先するあまり社内的に製造現場を置き去りにしていたなど、免震偽装事件の現場が浮き彫りになった。

大阪府庁本館の免震レトロフィットに使われたカヤバ社製の「BDS型」免震オイルダンパー。出荷前の検査データが改ざんされており、交換が予定されている (写真:池谷 和浩)
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 外部調査委員会の報告書は2月4日付。KYBは13日に開いた取締役会で再発防止策を決議、4日に受け取っていた報告書とともに国交省へ提出した。なお国交省は2月中に免震材料に関する外部有識者会議を開く予定だ。

 最新のまとめでは、改ざんの疑いがあるものを含めると、不正ダンパーは免震向けで995物件に納品された8775本。本数ベースでは出荷総数のうち84.7%に達した。制振向けでは110物件に納品された4307本で、同20.9%だ。なお13日に公表した19年3月期第3四半期決算で、KYBは通期の利益見通しを下方修正。連結の最終利益を100億円の赤字(前回予想は42億円の赤字)とした。今回、改めて製品保証引当金を積み増したためだ。本件に関する引当金は計258億円となる。

 報告書は改ざんに使われた主な手口について、検査データに不正な低減係数を掛ける手口と、検査機の「原点調整」機能を使った手口の2つを示した。すでにKYBやカヤバ社が18年末までに公表済みの内容だ。不正は2000年には始まり、内部告発があった18年まで続けられた。

KYBが公表した2つの不正手口の概要。検査データ全体に係数を掛けたり、グラフの原点位置を動かしたりして、検査結果が公差範囲内であるように見せかけていた(資料:国土交通省)
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