日本サステナブル建築協会が実施する、住宅内の室温と健康の関係を探る「スマートウェルネス住宅等推進調査」から、多様な知見が見えてきた。これまで第1から第5の知見について報じたが、今回はさらに2つ、断熱改修の前後で住宅内での居住者の行動に変化が生じるといった調査結果を伝える。

 床近傍の室温が低い住宅では、様々な疾病や症状を保有する人が多いことが、第6の知見として分かってきた。

 分析に当たり、住宅を3つのタイプに分類した。冬に居間の床上1mの室温が16℃以上かつ床近傍の室温が15℃以上の住宅を「温暖群」。床上1mが16℃以上で床近傍が15℃未満を「中間群」。床上1mが16℃未満で床近傍が15℃未満を「寒冷群」とした。この分析では、3タイプでのサンプル数の偏りを減らすために、室温の目安を16℃に設定している。

 それぞれのタイプについて、高血圧、脂質異常症、糖尿病、耳の聞こえにくさ、骨折・捻挫・脱臼の5項目について、過去1年間における症状の有無などを調査して分析した。そして、温暖群の結果を基準として、中間群と寒冷群の比率(オッズ)を割り出した。

 結果を見ると、中間群、寒冷群ともに温暖群よりも疾病がある人の割合が高くなった。中間群の住宅の場合、高血圧で通院している人の割合が温暖群の1.51倍、糖尿病では1.64倍に上った。聞こえにくいといった経験がある人の割合は1.31倍だ。寒冷群の住宅では、高血圧が1.53倍、脂質異常症が1.39倍となった。聞こえにくいといった経験や、骨折・捻挫・脱臼を経験した人の割合も高く、それぞれ、1.39倍、1.65倍という値を示した。

 調査・解析小委員会では、「足元が寒い住宅は、健康に悪い影響を与えている」と分析している。

住宅を次の3タイプに分類して疾病との関係を比較した。冬に居間の床上1mの温度が16℃以上かつ床近傍の温度が15℃以上の住宅を「温暖群」、床上1mが16℃以上で床近傍が15℃未満を「中間群」、床上1mが16℃未満で床近傍が15℃未満を「寒冷群」とした。その結果、中間群、寒冷群ともに温暖群よりも疾病がある人の割合が高かった。なお、脂質異常症、糖尿病、骨折・捻挫・脱臼で中間群や寒冷群のグラフが抜けている部分は、その事象が偶然に起こったとは認めにくいことを示す有意確率が基準に達しなかったからだ(資料:スマートウェルネス住宅等推進調査委員会、研究企画委員会、調査・解析小委員会)
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