日本サステナブル建築協会が住宅内の室温と健康の関係を調査した結果を分析したところ、7つの知見が見えてきた。今回はそのうち第3から第5の知見を紹介する。

 第3の知見は、断熱改修前後で比較した室温と健康との関係だ。住宅を断熱改修する前後および、断熱改修の有無で検証した。検証に協力した人は、断熱改修を実施した被験者975人と、実施しなかった被験者108人だ。

 断熱改修を実施した人を対象に収集したデータを改修前後で比較したところ、起床時の血圧に変化が現れていることが明らかになった。改修前に比べて最高血圧は3.5mmHg、最低血圧は1.5mmHgそれぞれ低下した。「断熱改修によって室温が上昇したのが要因の1つ」とスマートウェルネス住宅等推進調査委員会の調査・解析小委員会は評価する。

断熱改修前に比べて改修後は最高血圧が3.5mmHg、最低血圧が1.5mmHg、それぞれ低下した(資料:スマートウェルネス住宅等推進調査委員会、研究企画委員会、調査・解析小委員会)
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、室温の違いが健康にどのような影響を及ぼすのかも検証している。これが第4の知見だ。血管年齢や動脈硬化の指標を健康の目安とするために、コレステロール値と心電図の異常所見の有無を分析した。すると、室温が18℃未満の住宅は室温が18℃以上の住宅に比べて、動脈硬化などのリスクが高いという。

 分析に当たり、住宅を2つのタイプに分類。午前5時における居間の室温を住宅の代表温度とみなし、室温が18℃以上の住宅を「温暖群」、18℃未満の住宅を「寒冷群」として比較した。すると、総コレステロール値、LDLコレステロール値は寒冷群の住宅に住む人の方が高く、心電図の異常所見の数も多かった。

 例えば、総コレステロール値が基準範囲を超える220mg/dL以上の割合は温暖群の結果を1とすると、寒冷群は2.6倍に上る。心電図の異常所見がある割合も、寒冷群が1.9倍と高かった。

居間の室温が18℃以上の住宅を「温暖群」、18℃未満の住宅を「寒冷群」として比較したところ、総コレステロール値、LDLコレステロール値は寒冷群の住宅に住む人の割合の方が高く、心電図の異常所見の割合も同様に多かった(資料:スマートウェルネス住宅等推進調査委員会、研究企画委員会、調査・解析小委員会)
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら