スレート瓦のズレや落下を巡り、大手建材メーカーのニチハと下請けのくぎメーカーが6年超に及ぶ裁判を続けていることが、日経ホームビルダーの取材で分かった。

 争いのもととなっているのは、ニチハが湿式製法で開発したスレート瓦「パミール」だ。スレート瓦の分野では2000年前後から石綿を使用しないノンアスベスト型が主流になった。ニチハは早くからその流れに対応し、1996年に無石綿品のパミールを発売した。

 しかし、この屋根材については、「層状剥離」と「くぎのさびによる屋根材のズレや落下」というトラブルが顕在化している(関連記事:ニチハの屋根材が飛散し近隣の窓割る)。この2つの問題を、ニチハはどのように捉えているのか。日経ホームビルダーの取材に対して、同社は層状剥離と、くぎのさびに影響を及ぼすくぎの塗膜厚不足との間に「関連性はない」としたうえで以下のように回答した。

 「層状剥離の原因は、経年による表面塗膜の劣化に伴い、基材の劣化が起きたことによるものだ。屋根材のズレ・落下は、ラスパート釘(耐食性表面処理をしたくぎ)の塗膜厚不足によるものだ」

 パミールを留めるくぎの腐食の問題を巡ってニチハが争う相手は、下請けのくぎメーカー、若井産業(大阪府東大阪市)だ。6年に及ぶ法廷闘争は名古屋地方裁判所で繰り広げられている。

 くぎの腐食の問題に対するニチハの見解は、同社が2010年11月に発表した「ラスパート釘(屋根材「パミール」付属品)に関するお詫びとお知らせ」と題するプレスリリースに集約されている〔写真1〕。

〔写真1〕ニチハの発表にくぎメーカーが反発
ニチハが2010年に発表したプレスリリース。パミール用のくぎで耐食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ厚が薄い製品があり、腐食の進行が早まる可能性があると指摘している。くぎを製造した若井産業はこの内容に反発した(写真:日経ホームビルダー)
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ニチハの名古屋市内のショールーム(写真:日経ホームビルダー)
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 ニチハは「パミール用釘(品番:JQ20)の一部に耐食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ厚の薄いものが混入していたことが判明した」と説明。「メッキ厚が薄い場合、正常にメッキ処理がなされた釘と比べ、経年に伴う腐食が早まる可能性があり、屋根材のズレ・落下などが生じる可能性がある」と発表している。

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