比較的多くの既存住宅が立つ斜面近くの市街地を、市街化調整区域に“逆線引き”する検討を北九州市が始めた。全国でも例がないとみられる。

 市の狙いは、新規の住宅建築を規制する市街化調整区域への変更で、自然災害による住民や住宅の被害を減らす点にある。頻発する自然災害と人口減少という課題に対応した取り組みだ。

 市は学識者や弁護士、不動産会社などが参加する「区域区分の見直しのあり方に関する専門小委員会」で、客観的な選定ルールをまとめる。パブリックコメントと公聴会を経て2019年10月までに選定ルールを完成させ、それに従って見直し対象の候補地を決定する計画だ。

 市都市計画課の上村周二課長は、「住民説明会で一定の理解が得られた所から見直しを進める。おおむね5年ごとに開催する都市計画審議会での実現を目指す」と意気込む。

 市がこの検討を始めたきっかけの1つは、18年7月の西日本豪雨だ。市内の約400カ所で崖崩れが発生した。門司区奥田の市街化区域では、崩れた崖の下に立っていた住宅2棟が全壊し、住民2人が死亡、1人が重傷を負った。 

2018年7月の西日本豪雨で崖崩れが発生した門司区奥田の被害現場。市街化区域だが、土砂災害防止法の土砂災害警戒区域に指定されていた。急傾斜地の崩落で住宅2棟が全壊し、住民2人が死亡、1人が重傷を負った(写真:北九州市)
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