2017年にプリツカー建築賞を受賞したスペインの建築家ユニット、RCRアーキテクツの展覧会「RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー」が東京・乃木坂のTOTOギャラリー・間で2019年1月24日から始まった。開幕前日に日経アーキテクチュアが行ったインタビューも交えつつ、会場の見どころをお伝えする。

(イラスト:宮沢 洋)
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 なぜ展覧会ルポの冒頭がイラストなのか。

 このイラストは、筆者(日経アーキテクチュア編集長の宮沢洋)が日経アーキテクチュア巻末の「建築日和」用に描いたもの。雑誌の掲載は2月14日号なのだが、それを待つと会期(1月24日~3月24日)の半分近くが終わってしまうので、イラストを活用しつつ、会場ルポを描くことにした。……というのは言い訳で、似顔絵が我ながらよく描けているので、お見せしかったのだ。ご容赦を。

 今回来日したのは、3人のパートナーのうちの2人。カルマ・ピジェム氏とラモン・ヴィラルタ氏だ。

日経アーキテクチュアのインタビューに答えるカルマ・ピジェム氏と(左)ラモン・ヴィラルタ氏(右)。ラファエル・アランダ氏は今回は来日せず(写真:日経アーキテクチュア)
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 ちなみに、日経アーキテクチュアは2017年5月に東京で行われたプリツカー賞授与式でも彼らにインタビューをしており、このときにはラファエル・アランダ氏も来日していた。(関連記事:西沢立衛氏がスペインで触れたRCRの哲学

前回来日時(2017年5月)に日経アーキテクチュアのインタビューに答えるヴィラルタ氏(左)、ピジェム氏(中央)、アランダ氏(右)。プリツカー賞の授与式の前にインタビューした(写真:日経アーキテクチュア)
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 RCRアーキテクツはラファエル(R)・アランダ、カルマ(C)・ピジェム、ラモン(R)・ヴィラルタの3氏が1988年に設立した。アランダ氏は61年生まれ、ピジェム氏は62年生まれ、ヴィラルタ氏は60年生まれで同世代だ。共に87年、ヴァリェス建築学校(ETSAV)で建築学士を取得後、88年にスペイン・カタルーニャ地方のオロットに共同で設計事務所を設立した。以来30年、オロットを拠点に、歴史や文化、自然に寄り添った活動を続けている。

 2017年のプリツカー賞授与に際して、トム・プリツカー会長が選考理由を次のようにコメントしている。「3氏は、共に活動することでそれぞれの領域をはるかに超えた作品を世に送り出してきた。それぞれの施設特有の環境条件とその土地の固有性を強く関連付ける彼らの作品は、3氏の手法が真に溶け合った証しだと言える」(関連記事:プリツカー賞初!建築家3人が同時受賞

 日本では「プリツカー賞で知った」という人が多いと思われるが、3氏の建築は欧米各国で広く評価を受けている。2005年にカタルーニャ建築賞を受賞後、08年にフランス文化省から芸術文化勲章(シュバリエ)を受章。10年に米国建築家協会(AIA)の名誉会員、12年に王立英国建築家協会(RIBA)の国際フェローとなり、15年にはフランス建築アカデミーゴールドメダルを受賞した。

 2017年5月に東京でプリツカー賞授与式が行われたときに、今回の展覧会の開催は決まっていた。それから1年半を経ての「待ちに待った」展覧会だ。

 では、会場リポートに移ろう。

(イラスト:宮沢 洋)
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 会場に足を踏み入れた瞬間、正直に言うと「あれ?」と思った。これまで筆者がここで見た展示の中で、最もスカッとした印象だ。RCRの前にここで展覧会を開いた田根剛氏(Atelier Tsuyoshi Tane Architects代表)の会場写真と比較すると密度の差がすごい。

田根剛氏の展覧会(「未来の記憶」展)での3階展示風景(写真:稲垣 純也)
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開催中のRCRアーキテクツ展での3階展示風景(写真:日経アーキテクチュア)
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