横浜市は2018年12月14日、建築基準法違反を理由とした初の行政代執行を決行。戸建て住宅の建築現場において、法面のすべり防止工事を始めた。同工事の設計費と工事費など約1億2000万円を事業主と工事の元請け会社に請求する予定だ。

 現場は同市南区堀ノ内町で、地下車庫付きの5棟の木造住宅を建築する計画だった。08年11月に一部住宅を着工してから、現場に面する高さ約20mの崖において、3回にわたり崩落事故を起こしていた。事業主はベイサイド(横浜市)、元請けはコスモテック(同)だ。2社は市の決定を不服とし、異議を申し立てる意向を示している。

 行政代執行に先立つ18年11月26日には、市がベイサイドとコスモテックの2社を建基法90条に違反したとして、刑事告発した。同条では、工事中の地盤崩落などによる危険を防止するよう規定している。

 崖は住宅建築以前にも崩落事故が発生しており、市南土木事務所が法枠と擁壁を設置していた。さらに、崖の上部には崖を上がった所に住む市民用の簡易な歩道を設けてあった。08年に始まった住宅建築の工事では、それらを撤去して崖を高さ11m以上削り、高さ約7.5mの土留め壁と地下車庫を持つ住宅を建てるという難しい計画を立てていた。

左は住宅5棟の配置図。崖の上下とも2項道路境界線に面する。崖が崩れると崖上と崖下に影響が及ぶ。右は真ん中の住宅の断面図。崖を11m以上削って土留め壁付きの住宅と地下車庫とを別々に建てる。「横浜市建築基準条例及び同解説」に基づき、土留め壁の高さや地下車庫の位置が決められている(資料:コスモテックの資料に日経ホームビルダーが加筆)
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行政代執行後の現場を前面道路の南側から見た様子。手前の既存擁壁と柵のある斜面が、南端の住宅の敷地になる。2018年12月に撮影(写真:日経ホームビルダー)
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行政代執行後の現場を前面道路の北側から見た様子。4棟の地下車庫のコンクリート工事が終わり、土留め壁工事が途中で止まっている。2018年12月に撮影(写真:日経ホームビルダー)
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