防火設備検査員による検査内容。一定の条件を満たす建築物の所有者などは、専門技術を有する資格者による防火設備の検査と、その結果の特定行政庁への報告が義務付けられている(資料:国土交通省)
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 国土交通省は2019年1月11日、建築基準法に基づく定期報告制度で防火シャッターなどの作動確認を行う「防火設備検査員」資格の不正取得が判明したと公表した。資格取得の要件である実務経験年数を偽っていた。

 防火設備検査員の資格を不正に取得していたのはLIXIL鈴木シャッター(東京都豊島区)の従業員13人で、東京都などで21物件68棟の防火設備を点検していた。国交省は同社に対し、1月11日付で、該当する13人の資格者証の返納を命令した。また、同社による今後の防火設備講習の受講申請について、社外の第三者による確認を受けるよう求めた。

 LIXIL鈴木シャッター総務人事統括部の担当者によると、不正が発覚したのは18年9月。社外から匿名で「防火設備検査員の資格に満たない従業員が検査を行っている」との投書があった。社内調査の結果、不正な申請による資格取得者が13人いたと判明。この13人が東京都で66棟、千葉県で1棟、長野県で1棟の防火設備を点検していたと分かった。同担当者は、「68棟については所有者と協議して、18年度中に再点検を実施する予定だ」と説明する。

LIXIL鈴木シャッターで防火設備検査員の資格を不正に取得した13人が検査した物件数。同社は3月末ごろまでに全68棟を再検査する予定だ。用途別では「学校」が47棟と最も多い(資料:国土交通省)
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 国家資格である防火設備検査員の制度は、13年に発生した福岡市の診療所火災や長崎市のグループホーム火災など、多数の死者を出す火災事故が相次いだことを受け、16年6月施行の改正建基法で導入された。国や特定行政庁が指定した建築物の所有者は、定期的に一級・二級建築士または防火設備検査員に防火設備を検査させ、その結果を特定行政庁に報告する義務を負う。防火設備検査員の有資格者は18年末で1万3720人となる。

防火設備検査員による検査の対象となる防火設備(資料:国土交通省)
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