東京都建設局が改築も視野に入れて、「葛西臨海水族園」(東京都江戸川区)の更新を検討している。配管設備の老朽化対策やバリアフリー化対策に課題があることなどが理由だ。そうした動きに対し、既存施設を設計した谷口建築設計研究所(東京都千代田区)の谷口吉生所長は、「まだ耐久性がある建築を30年で壊してしまうのは理解できない」と苦言を呈する。まずは都の動きから伝える。

葛西臨海水族園の敷地は、都立公園「葛西臨海公園」の一画にある。写真は、竣工時の空撮(写真:三島 叡)
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 都は有識者による「葛西臨海水族園のあり方検討会」の報告書を踏まえ、基本構想素案を2018年11月に発表した。公募した意見も採り入れ、2019年初旬をめどに最終とりまとめを作成し、公表する予定だ。

 また、都は18年11月に希望制指名競争入札「葛西臨海水族園改築計画検討補助業務委託」を公示した。

東京都の葛西改築計画検討補助業務仕様書から抜粋。既存施設の本館、ゲート棟、淡水生物館は、谷口建築設計研究所が設計を担当した(資料:東京都)
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1989年開園当時の葛西臨海水族園。ゲート広場から施設を望む。開園直後はあまりの人気ぶりに長蛇の列が続き、90年の年間利用者数は約377万人にも上った(写真:三島 叡)
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 検討補助業務委託の目的は、更新に向けて、改築計画の参考となる資料の修正、作成などを行うこと。具体的な業務は次のような内容を予定している。まず、飼育担当などとの意見交換会の運営を支援し、展示テーマなどをまとめる。展示内容素案は有識者にもヒアリングし、19年1月末までに提出。さらに改築計画図の修正や施工計画の検討を行い、既存施設の撤去、移設なども考慮して概算工事費を算出する。

 都は、19年度中に、水族館の展示内容や規模などをまとめた事業計画を作成する予定だ。

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