住宅の1次取得者で、「ミレニアル世代」に代表される若い世代の存在感が増してきた。デジタルネーティブで、物を「所有」するより「利用」する体験に重きを置くなど、上の世代にはない新しい価値観を持つといわれる世代だ。一方で、建設現場の職人不足は深刻化し、注文住宅も生産性向上を迫られている。今知っておくべきミレニアル世代の家づくりの動向を紹介する。
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 ミレニアル世代は、既に住宅を購入する年齢や立場に達しており、無視できない「クライアント」だ。国土交通省の調査によると、この世代が「1次取得者」の約半数を占める。

「ミレニアル世代」は、現在の年齢でいうとおおむね22歳から37歳。もともとは「2000年代(ミレニアル)に成人する世代」の意味で、この言葉を生んだ米国では主に、1981年から96年ごろに生まれた世代を指す。日本では「さとり世代」や「ゆとり世代」と呼ばれる世代とも重なる(イラスト:ハラユキ)
1次取得者の世帯主の年齢。30歳未満、30歳代といった、ミレニアル世代で半数以上を占めている(資料:国土交通省「2017年度住宅市場動向調査」を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 ミレニアル世代の特徴的な価値観の1つが、カスタマイズ好きであることだ。住宅メーカーの中でも、明確にミレニアル世代向けを打ち出しているのが、三井ホーム。18年3月に発売した「ナチュラルヒュッゲスタイル」で、従来よりもカスタマイズ性を高めた「セミオーダー」を訴求する。

三井ホームがミレニアル世代向けに発売した「ナチュラルヒュッゲスタイル」の外観例。外装をカスタマイズできるようにした。事前の調査では、戸建て住宅を購入する際に希望するタイプを「既製品」「セミオーダー」「フルオーダー」に分けて尋ねたところ、「セミオーダー」が51%と約半数を占めた(写真と資料:三井ホーム)
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 例えば外装だ。シンプルな形状をベースに、開口部の位置をはじめ、サイディングの張り付け範囲などが選択でき、様々なバリエーションにカスタマイズできる。入居後にユーザーがDIYできるよう、無塗装の壁も選べるようにした。

 自分らしさを重視する一方で、所有欲が薄いのも特徴だ。ミレニアル世代向けの交流型賃貸マンション「ソーシャルアパートメント」を展開するのが、グローバルエージェンツ(東京都渋谷区)だ。単なるシェア志向ではなく、一歩踏み込んで世代を分析し、プランニングなどに反映している。

グローバルエージェンツが企画・運営を手掛ける「ネイバーズ二子玉川」のレジデンスキッチン。同社のソーシャルアパートメントの多くは、企業寮などをリノベーションしたもの。元の食堂などを活用して交流スペースをしつらえやすいからだ。共用部では、入居者が自発的に企画するイベントが頻繁に開催されている(写真:上はグローバルエージェンツ)
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 同社の廣田章剛マネージャーは、この世代の価値観について、「合理性、多様性、自由の3つの要素を捉えることが重要だ」と話す。

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