旅のスタイルの多様化が進むなか、地域体験のニーズを取り込むべく大手企業が動き出した。積水ハウスとマリオット・インターナショナルは2018年11月28日、自治体と連携して「道の駅」をハブにした地方創生事業「トリップベース(Trip Base)道の駅プロジェクト」を展開することを発表。第1弾として20年秋以降に、5府県15カ所、全1000室規模で、ロードサイド型ホテルを順次開業していく計画を打ち出した。

2018年11月28日に都内で発表会が開かれた。左が積水ハウスの仲井嘉浩代表取締役社長で、右がマリオット・インターナショナル アジア太平洋社長兼マネージングディレクターのクレイグ・スミス氏(写真:氏家 裕子)
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 整備するホテルは、マリオットとしては日本初上陸となるブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット」。暖かさ、家族、心地よさ、シンプルをコンセプトとし、素泊まりできる宿泊特化型のホテルだ。同ブランドは1987年に米国で誕生し、2003年に世界での展開をスタートした。現在は世界で950件まで広がっている。3年後までに新たに350件の開業を予定している。

「道の駅」に隣接して建てるロードサイド型ホテルのイメージ(資料:積水ハウスのプレスリリースから抜粋)
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 素泊まり型のホテルを導入した理由は、宿泊客がホテル内だけで過ごすのではなく、地域の観光資源を巡ることで、地域のポテンシャルが発揮されることを意図しているからだ。積水ハウスの仲井嘉浩代表取締役社長は、「食事や買い物、アクティビティーは地域の既存店に任せるスタイルを貫く。地域と共存共栄することで、地元の観光マーケティングをサポートしていきたい」と語った。

積水ハウスとマリオット・インターナショナルは自治体と連携しつつ、地域のつながりを創出するために様々な分野の企業と共存共栄していく考えだ(写真:氏家 裕子)
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 マリオット・インターナショナル アジア太平洋社長兼マネージングディレクターのクレイグ・スミス氏は、「日本を訪れる外国人観光客は18年だけでも2000万人を超える。新たに注目されつつある日本の秘境を訪れる旅行者が増えており、マリオットは、さらなる秘境へのアクセスを提供する。次世代の旅行者に向け、世界に誇れる旅行体験を日本でつくりたいと考えている。美しい地域の観光業が発展することを信じている」と意気込む。

 両社は20年秋以降、まずはファーストステージとして、栃木県、岐阜県、三重県、京都府、和歌山県、合計15カ所でホテルをオープン。延べ面積は約2000~約4200m2、3~7階、室数は100室未満の小規模なものだ。その先のセカンドステージ、サードステージについては、既に10カ所の道県の自治体と協議しながら立地の選定に着手しているという。

対象地は、全国5府県15カ所。最近では、名古屋から石川県へと北上する観光ルート「昇龍道(ドラゴンルート)」の人気が高まっており、その途中にある岐阜県なども観光スポットとして注目されている(写真:氏家 裕子)
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ファーストステージとして、2020年秋以降に開業する予定地一覧(資料:積水ハウスのプレスリリースから抜粋)
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