KYBと川金ホールディングスが、免震オイルダンパーの不正発覚後に新規受注を停止した影響で、設計変更を余儀なくされた建物がある。岐阜県各務原市は新庁舎の設計を免震構造で進めているが、計画通り2021年7月に開庁するために、ダンパーを後付けする計画に変更した。

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2018年3月時点での各務原市新庁舎外観イメージ。地下1階・地上7階建ての高層棟と、地上2階建ての低層棟を渡り廊下でつなぐ。高層棟は免震構造を採用した(資料:各務原市)

 新庁舎の設計者は、日本設計・大建設計・Meet’s設計工房設計JVだ。18年10月から既存の本庁舎の南側を解体しており、19年8月の新庁舎着工を目指している。既存の本庁舎は1973年竣工で旧耐震基準の建物だ。13年に実施した耐震診断では、Is値(構造耐震指標)の最小値が0.28で、震度6強~7程度の大規模地震の発生時に倒壊する危険性があると診断された。市は、既存の本庁舎に40カ所以上にブレースを設置する耐震補強なども検討したが、15年に敷地内での建て替えを決めた。

 新庁舎の構造性能は、建築基準法で想定する数百年に1度程度の「極めて稀(まれ)に発生する地震動」に対しても防災拠点としての機能を確保し、継続利用できるよう計画した。国土交通省が防災拠点に求めている、一般建物などの基準の1.5倍の耐震性能だ。地上7階建ての高層棟は、地下駐車場の柱上部と1階の間に鉛プラグ挿入型の積層ゴムを設置し、さらに免震オイルダンパーを併用する計画だった。

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各務原市庁舎建て替え計画のステップ図。2018年10月から19年3月まで既存の本庁舎の南側を解体し、19年8月に新庁舎高層棟を着工する予定。その後に既存の本庁舎を全て解体して低層棟を施工、22年7月に全体の完成を目指す(資料:各務原市)

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