平積みされた石こうボードの山から1枚だけをずらしてつかみ、一般的な工具を使って膝を曲げながら壁面にビス留めしていく――。人間型ロボット「HRP-5P」が、戸建て住宅の壁面に石こうボードを施工する様子だ。産業技術総合研究所が、人の作業の代替を目指して開発を進める。2018年9月27日に試作機を発表した。

2018年9月27日、産業技術総合研究所が公開した人間型ロボットの試作機「HRP-5P」の動画。戸建て住宅の壁面に石こうボードを施工するようプログラミングされている(動画:産業技術総合研究所)

 人が遠隔から専用端末で作業開始を指示すると、プログラミングされた一連の作業を自律的に行う。何らかのエラーが生じた際は作業を中断し、ロボットが端末にメッセージを送ってくる。そのため常時、ロボットの見守り役を配置する必要がないという。

「HRP-5P」による作業の流れ。(1)複数のカメラやセンサーによって、現場の3次元地図の生成と物体の検出をしながら作業台に近づく。(2)作業台に平積みされた石こうボードを1枚ずらし、持ち上げる。(3)周囲の環境を認識しながらボードを作業場所まで運ぶ。(4)ボードを下し、壁に立てかける。(5)手の平のカメラで工具のマーカーを認識し、工具をつかむ。(6)片手で胴縁を握って安定性を保ちながら、ボードをビス留めする(写真:産業技術総合研究所)
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 人間型であることの最大の利点は、ロボットを働かせるための環境を、現場側でつくり込む手間が最小限で済むことだ。石こうボードを張り始める位置を示したり工具を認識させたりするための各マーカーなどを除いて、一般的な住宅の現場さながらの環境で作業できることを確認した。

 開発を担当した産総研の知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループの金子健二上級主任研究員は、次のように話す。「工場のように生産ラインが組めない現場に人間型ロボットのニーズがあると考えた。その1つが建築の施工現場だ。さらに、人間のような身体サイズと構造を持つロボットなら、工具やはしご、階段など、人間に合わせてつくられた現場環境を大きく改造せずに働くことが可能だ」

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