竹中工務店は、鉄骨(S)造の軸組みに直交集成板(CLT)の耐震壁を組み合わせた「CLT+鉄骨ハイブリッド構造」を開発した。S造部分とCLT部分を明確に分離、中高層建築物でもCLTを現しで使える。S造の柱間にCLT耐震壁を拘束し、木材の材料強度を効率よく引き出す。梁がS造となるため、一般的な木造では難しい大スパンにも適用可能だ。

建設中の「兵庫県林業会館」に取り付けたCLT耐震壁。右側のCLTは上下端部と鉄骨梁の間に無収縮モルタルを充填済みだ。CLT耐震壁は厚さ210mm(5層7プライ)(写真:竹中工務店)
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 新技術では、CLTに接する鉄骨の柱と梁は耐火被覆を通常より厚くし、火災でCLT耐震壁が燃焼した際の柱・梁の温度上昇を抑制。CLT耐震壁は、鉄骨梁の上下階を結ぶ形で取り付ける。CLTが地震で破損したり火災で焼損したりした際は、その部分のCLTだけを交換できる。同社はこうした構造システムやCLTと鉄骨の接合方法などについて特許を出願した。

 CLTと鉄骨梁の接合には、複数の接合方法を用いる。

 まず引きボルト接合だ。H形鋼のフランジへCLTをボルト留めし、建物が地震で変形した際、耐震壁に生じる引っ張り力をボルトで伝達する。鉄骨梁とCLTの間には無収縮モルタルを充填し、圧縮力を伝達する。モルタル層は鉄骨梁の耐火被覆も兼ねている。

 ドリフトピン接合も併用する。鉄骨梁にプレート(せん断金物)を取り付け、CLTの上下端部に設けた溝へ差し込む。さらにCLTとこのプレートを貫通する形でドリフトピンを打ち込んで固定。構造体に生じるせん断力をCLTに伝える。

CLT+鉄骨ハイブリッド構造におけるCLT耐震壁の概要。圧縮力を伝達する無収縮モルタルが鉄骨の耐火被覆を兼ねる(資料:竹中工務店)
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