村野藤吾が設計した八幡市民会館(北九州市八幡東区)の活用方針が決まった。耐震補強を含めた改修を行ったうえで、市立埋蔵文化財センター(北九州市小倉北区)および収蔵庫を移転する。北九州市の北橋健治市長が8月30日の記者会見で発表した。

閉鎖後の八幡市民会館。手前はもと市民会館の駐車場だった部分で、新病院用の駐車場に充てられた(写真:イクマ サトシ)
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 八幡市民会館(以下、市民会館)は1958年竣工。その存続については、建物自体の維持管理はもとより、市全体の公共施設の再編、市立病院の移転整備と併せて議論されてきた。

2014年11月に撮影された遠景。市民会館の左下に見えるのは、やはり村野藤吾が設計し、1955年に竣工した旧図書館。市民会館同様16年3月に閉館し、すでに解体されて現存しない(写真:笠原 一人)
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 2012年の調査では、耐震改修に約5億円、施設や設備の更新に約10億~15億円かかると試算。市は16年3月に市民会館としての機能を停止した。敷地のうち駐車場部分はすでに市立病院の用地に充てられ、外構のスロープ部分は解体されている。

 建物の取り扱いについては、民間有志による「八幡市民会館リボーン委員会」が検討を重ねてきた。リボーン委員会は16年6月に現代美術センター案、17年4月にこども向け施設へのコンバージョン案を市に提出。しかし、いずれも資金調達や事業の実現性が問題とされ、採用に至らなかった(関連記事「村野藤吾の八幡市民会館、民間の活用案は再び却下」)。

 17年6月に民間による活用を断念して以降、市は市民会館を既存の公共施設の移転先として活用することを検討。冒頭の結論に達したわけだ。

 現在の埋蔵文化財センター(以下、センター)は1982年の竣工で、使い続けるには約4.6億円の補修費がかかると試算されている。市民会館に移転すればこの補修費用が不要になるほか、現在センターの外に点在する収蔵庫を集約でき、同じ区内にある市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)との連携も容易になる。

現在の市立埋蔵文化財センター。鉄筋コンクリート造3階建て。1983年に考古博物館として開館、2002年に市立自然史・歴史博物館に統合されたのち、全館を埋蔵文化財センターとした(写真:萩原 詩子)
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