シンガポールに本社を構え、サービスレジデンスやホテルの運営を手掛けるフレイザーズ・ホスピタリティーが、ホテルブランド「カプリ」を日本に初出店する。同ブランドはデジタル世代の旅行者のニーズを捉え、思わず写真を撮ってインスタグラムに投稿したくなるような、その土地の文化を反映したデザインを重視する戦略が特徴だ。基本計画とデザイン監修は隈研吾氏が担当する。

 2012年にスタートしたカプリブランドは、ユニークな体験を求めるミレニアル世代(1980年代~2000年代初頭に生まれた世代)をメーンターゲットに据えている。フレイザーズ・ホスピタリティーの広報責任者は「世界中のビジネス旅行者の3分の1を占めるミレニアル世代は、指1本で何でもこなしてしまう。近い将来、彼らが投稿するインスタグラムが世界で一番大きなプラットフォームになるだろう」と話す。

 同社は「カプリ・バイ・フレイザー銀座」を21年1月から3月の間にオープンすることを目指し、施工者を10月に決定する予定で調整を進めている。計画地はJR新橋駅から銀座方面に向かって徒歩5分、昭和通りに面した好立地だ。延べ面積約6800m2、地下1階・地上20階建て、鉄骨造、客室190室のホテルを計画している。近隣に立つアッパーミドルのビジネスホテルと同程度の価格を想定している。

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建物外観の夕景イメージ。波打つようなデザインのファサードは枯山水に着想を得ている。低層部はガラス張りでオープンなロビーを計画している(資料:フレイザーズ・ホスピタリティー)

 フレイザーズ・ホスピタリティーのCEOチョウ・ペン・サム氏は「隈研吾さんの描く空間は、我々の姿勢と合致している。サービス、デザイン、設備において、デジタル世代のニーズに照らし合わせ、都度その整合性を模索し、ゲストの求めるものを提供し続ける」と話す。隈氏は基本計画を固めた数カ月を振り返り、「フレイザーズ・ホスピタリティーは、思い切った提案に対してすぐに反応を返してくれる。日本企業ではないからこそつくれるホテルになるだろう」と語った。

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写真手前が「カプリ・バイ・フレイザー銀座」の模型。左からインテリアデザインを担当するハーシュ・ベドナー・アソシエイツのロビン・カーター氏、基本計画とデザイン監修を務める隈研吾氏、フレイザーズ・ホスピタリティーのCEOチョウ・ペン・サム氏と技術責任者のジャスミン・リー氏(写真:日経アーキテクチュア)

 フレイザーズ・ホスピタリティーはシンガポールの大手不動産会社フレイザーズ・プロパティー・グループの傘下にある。世界80数都市で150以上のサービスレジデンスやホテルを展開している。日本へ進出する理由は、観光ブームによる宿泊施設の需要増加だけではない。同社が世界中で提供しているビジネスとプライベートの空間を融合した新しいホテルやレジデンスを日本でも体験してもらうことも目的だ。

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