小田急箱根グループは、神奈川県の箱根エリアで100億円を超える大型投資を開始する。乗り物と駅の快適性やサービスを向上し、箱根エリアの観光客数の伸び率を上げることが目的だ。鉄道、バス、ロープウエーなどの車両をリニューアルするほか、駅舎の改修などを2020年春までにほぼ完了する。8月1日に小田急箱根ホールディングスが投資内容を発表した。

 小田急箱根ホールディングスは、箱根登山鉄道や箱根ロープウェイなど小田急電鉄の箱根エリアの事業を管轄する持株会社。小田急箱根グループにとって投資効果を示す指標の1つが、「箱根フリーパス」の発売枚数だ。箱根フリーパスを使えば、電車やバス、観光船など8種類の乗り物を乗り継いで箱根を一周できる。これまでにも観光客数を伸ばすために投資してきた成果もあって、17年度には過去最高の95万枚を販売した。15年6月に大涌谷(おおわくだに)で小規模な噴火が起き、15年度の箱根町への観光客数は激減したが、V字回復を果たした。

 しかし、小田急箱根ホールディングスの五十嵐秀社長は、フリーパス販売枚数の伸びは鈍化していると説明する。今回発表した大型投資は、観光客数のさらなる伸びを狙ったものだ。「箱根の魅力を向上し、インバウンドだけでなく観光客数全体を増やしていきたい。できるだけ早く箱根フリーパスの発売枚数100万枚達成を目指す」と話す。

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神奈川県の強羅と早雲山(そううんざん)を一直線につなぐ箱根ケーブルカー。早雲山駅を2020年4月にリニューアルし、それに合わせて車両も更新する(資料:小田急箱根ホールディングス)

 今回の大型投資には3つのポイントがある。1つ目は「もっと乗りたくなる箱根」をテーマとして、乗っている時間を楽しめるように、車両などを更新して快適性を向上する。2つ目は「もっとまわりたくなる箱根」をテーマに、箱根を周遊するルートの結節点となる駅を改修し、提供するサービスや駅の面積を拡充する。

 3つ目は「もっとわかりやすい箱根」をテーマに、パンフレットなどの多言語化や、バスの運行情報をリアルタイムで配信するサービスなどを開始する。17 年度の箱根フリーパスの4分の1ほどが外国人による購入だった。また、旅行センターの利用者の3割ほどが外国人であるなど、外国からの個人旅行が増加している背景から、インバウンド対応を推し進める。

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