「ウルトラテクノロジスト集団」を標榜するチームラボ(東京都文京区)と、その関連会社であるチームラボアーキテクツ(同)は4月21日、中国広東省の深セン市で進む総延べ面積300万m2の大規模都市開発「C Future City(シー・フューチャー・シティ)」に参画中であると明らかにした。併せて、都市開発のコンセプトを象徴的に表現する広場として計画中の「Crystal Forest Square(クリスタル・フォレスト・スクエア)」の概要を発表した。

C Future Cityに計画中の広場「Crystal Forest Square」のイメージ(出所:チームラボ)
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Crystal Forest Squareのイメージ(出所:チームラボ)
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 C Future Cityは、商業施設、オフィス、ホテル、レジデンスからなる複合型の都市開発で、チームラボとチームラボアーキテクツは、現地の深セン中洲集団有限公司と共同で事業に携わる。全体の完成は2021年を予定する。

 猪子寿之代表が率いるチームラボは、プログラマーのほか様々な領域のエンジニアやデザイナー、クリエーターといったものづくりのスペシャリストが集まり、境界を曖昧にしてフラットな関係で創作活動を続けている。企業向けのウェブデザインやシステム構築のほか、開発したコンテンツの製品化やパッケージ化といったビジネスも展開。販路を世界に広げ、会社規模は約500人となっている。

 また同社には、活動初期から建築家の河田将吾氏が参画。後に建築部門として一級建築士事務所のチームラボアーキテクツを設け、河田氏がその代表に就いている。従来型の設計事務所の域を脱し、「デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団」と位置付けている。

 C Future Cityの都市コンセプトは「Personalized City(パーソナライズド・シティ)」。「デジタルテクノロジーとアートによって、都市のパブリック性を保ちつつ個人に合わせて変容(パーソナル化)する都市を計画する」という。インタラクティブ性を持つデジタルアートの領域で活躍し、パブリック空間での常設作品も手掛けるチームラボが推し進めてきた考え方を、都市開発に展開する格好になる。

C Future Cityのイメージ。「科学技術」「芸術」「自然」を中心的なテーマとして開発を進め、未来都市の在り方を模索する(出所:チームラボ)
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 都市の「パーソナル化」とは何を指すのか。今回の公式リリースでは以下のように記している。

都市コンセプト「Personalized City」

 都市において、パブリック性を持つものと、個人的なものとは、完全に分かれていた。しかし、デジタルテクノロジーによって、個人のものをシェアリングすることが容易になり、ウーバー(Uber)やディディ(DiDi、滴滴出行※)、エアビーアンドビー(Airbnb)やトゥージャー(Tujia、途家※)に代表されるように、時間ごとにシェアされることによって、公共タクシーやホテルのように都市においてパブリックな役割を担うようになった。

 逆に、噴水や広場など、都市におけるパブリックな存在を、デジタルテクノロジーでシェアリングすることで、パーソナル化され、パブリックとパーソナルがあいまいに共存する都市を創ることができる。そして、パーソナル化されたものを、デジタルアートによって当事者も含んだアートにすることで、他者から見た不快感を避け、むしろ人々によって変化していく都市における新しいアートになっていき、再びパブリック性を持つと考えている。

 今回、我々が提案したいことは、新しい時代の、都市における人間の新しい存在の仕方である。

※ディディ(DiDi、滴滴出行)はライドシェアサービスの中国最大手、トゥージャー(Tujia、途家)は民泊サービスの中国大手

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