広島県尾道市にある展望台の改築計画で、市は1月、石上純也建築設計事務所(東京都港区)の設計契約を解除し、前払い金の返還と違約金の支払いを求めた。石上事務所は弁護士を通じて、市長や市の担当者などに話し合いを求めている。市による設計契約の解除は無効だと主張する石上純也氏が、日経 xTECHの取材に応じ、契約解除に至る経緯を語った。市の言い分は前編の記事を参照いただきたい。

2月25日、本誌の取材に応じた石上純也氏。1974 年神奈川県生まれ。東京芸術大学大学院修士課程を修了し、SANAAに勤務後、2004 年に事務所を設立。国内外でプロジェクトを手掛ける(撮影:菅原 由依子)
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 1月24日、尾道市が設計契約解除を報道発表した。それはいきなりの発表で、私たちはそれまで設計契約解除が正式に決定したことを知らなかった。契約期限を迎えた2017年12月28日、私たちが成果物を市役所に持参したが市は受け取らなかった。そのときに市の担当者は「契約解除する」と言っていたが、私たちは弁護士を通じて18年1月12日に書面を市に提出し、話し合いを求めていた。その後も市は一度も話し合いに応じていない。1月26日、市の弁護士から契約解除の通知書が私たちの事務所に届き、現在に至っている。

 市と私たちの事務所で交わした契約書の約款43条1項2号には、「その責めに帰する事由により、履行期間内に業務が完成しないと明らかに認められるとき」という契約解除の条件が書かれている。市は、これを理由に契約解除したと発表しているが、私たちからすると、設計側だけに全ての「責めに帰する事由」があるのではなく、市側にもかなり不備があったなかで、結果的に私たちの成果物提出が間に合わなかった。

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