電子商取引(EC)で圧倒的な強みを見せる米アマゾンが広告ビジネスに本腰を入れ始めた。2018年2月に発表された2017年の通期決算によれば、アマゾン全体の売上高は前期比31%増の1778億6000万ドル、広告収入が大半を占める「その他」セグメントの売上高は同62%増の46億5300万ドルと順調な伸びを見せている。

 米グーグルが2017年に稼ぎ出した広告収入は1000億ドル近くに達しており、文字通り桁違いの規模に達する。それでもグーグルは、アマゾンの広告ビジネスを早くも警戒し始め、対抗策として「Shopping Actions」という新プログラムを打ち出してきた。2018年3月に発表されたShopping Actionsは、グーグルのパートナー商品が検索されたときにユーザーがそれを簡単に購入できるようになる。

パートナーの商品をお薦め

 米国で先行導入されているグーグルのShopping Actionsは、販売店が様々なチャネルを通じて自社商品を販売できるようにする一方で、ユーザーに対してはより便利なショッピング体験を提供するというものだ。例えば、洗剤を検索すると、グーグルのパートナーとなっている販売店のスポンサードリスティングが検索結果の中に表示され、ユーザーが選択するとグーグルが管理するオンラインのカートに購入したい洗剤を追加できる。

 日本をはじめ米国以外ではあまり知られていないが、グーグルは2013年にGoogle Express(登場した当初はGoogle Shopping Express)というサービスを立ち上げている。これは言わば複数の販売店を集めたECで、サービス形態としてはAmazonマーケットプレイスとほぼ同等だ。

 Shopping Actionsに対応する販売店の商品はGoogle Expressのカートに追加され、ユーザーは様々な販売店の商品をまとめて決済できる。例えば、ウォルマートでゲームソフトとオリーブオイルを、コストコでメープルシロップを選択しながら同じカートに入れて代金をまとめて決済するといった具合だ。

Google Expressのガート画面(出典:グーグル)
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 Shopping Actionsは通常のGoogle検索だけでなく音声AIのGoogle Assistantにも対応しており、様々なデバイスを横断した購買が可能だ。例えば、パソコンで検索した洗剤とスマートフォンで検索したオリーブオイルを同一のカートに入れ、その後にGoogle Homeを使って前回購入したメープルシロップを再注文するように音声入力で指示した上で、決済を一括で済ませることができる。

Shopping Actionsの利用イメージ(出典:グーグル)
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 しかも、各販売店のアカウントとGoogleのアカウントは紐付けられており、各販売店が独自に展開しているマーケティング施策を適用できるようになっている。例えば、コスメ専門チェーンのウルタビューティではUltamate Rewardというポイント・プログラムで購入額に応じてポイントが貯まり、TargetではREDcardという名称のクレジットカード/デビットカードで決済すれば常に5%の割引が受けられる。

 つまり、Shopping Actionsの本質はユニバーサルなカートを提供することであり、ユーザーの様々なチャネルでの購買データを連結できるのが最も重要な機能だと言えるだろう。

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