国土交通省がCIMの推進を掲げてから5年以上がたつ。2016年度末時点で、モデル事業は業務で90件、工事で196件試行してきた。さらに17年3月には「CIM導入ガイドライン」を作成。国交省技術調査課の城澤道正課長補佐が「CIMの一種の共通言語、ルールのベースができた」と話すように、CIM活用の環境整備は着々と進んできた。

 それでも、CIMの最終目標である計画・設計から施工、維持管理まで3次元モデルを流通させる“一気通貫”はなかなか実現できていない。


受発注者の4割が基準やルールの未整備に不満

 理由は明確で、ガイドラインはできたものの、3次元モデルを実際に納品するための基準類が追いついていないからだ。国交省が17年1月、実務者にCIMの課題についてアンケート調査を実施したところ、受発注者の実に4割が「基準やルールの未整備」を課題に挙げている。

 ただし、国もスピード感を持って対応する姿勢だ。例えば、設計図書の3次元化に向けたルール作りはその1つ。現状では3次元モデルの納品は、2次元の設計図書と併せてでなければ認められていない。国交省はまず、橋の上・下部工と土工で、3次元モデルに付与すべき寸法や属性情報などを整理し、「3次元表記基準」を作成する方針だ。

■ CIMの“一気通貫”を阻む課題と解消に向けた国の動き
国土交通省の資料と取材を基に日経コンストラクションが作成
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 2次元の場合、複数の断面や平面に分けて寸法などを表示していたが、3次元になるとモデルは1つで済む一方、付与する情報が集中してしまい、見づらくなる可能性が指摘されている。

 「2次元図面を切り出してそちらに寸法を入れたり、表示や非表示を使い分けたりすることを検討している」。CIMの基準作りを担当する国土技術政策総合研究所の社会資本情報基盤研究室の青山憲明主任研究官はこう話す。

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