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 aiboの開発は小型化・軽量化との闘いだった。前回のインタビューでは基礎検討モックアップが「犬ではなく、まるで小熊のようだった」こと、初期の見込み重量が2.8kgもあり、新型アクチュエーターで予定していた2.3kgを大幅に超えていたことなどが明かされた(関連記事:「犬の気持ち」でaiboを議論、初期モックはまさかの小熊サイズ)。今回は、そこからどうやって軽量化を達成したかを詳しく聞く。

 取材に応じてくださったのは、主に商品企画を担当した松井直哉氏(事業開発プラットフォーム AIロボティクスビジネスグループ 商品企画部 統括部長)と、ハードウエア開発を担当した石橋秀則氏(同グループ SR事業室 商品開発グループ)だ。(聞き手=山田 剛良、進藤 智則、内山 育海、写真=加藤 康、スタジオキャスパー)

前代未聞のハードウエアのアジャイル開発

前回のインタビューで、aibo本体とアクチュエーターなどのコア部品の開発が同時並行だったという話がありました。あれスゴいなと思うので改めて聞かせて下さい。もし当初は2.8kgにも達していた本体の減量に失敗したら、あるいはアクチュエーターの出力が所定に達しなければどうなるか、と考えると普通はそんなこと絶対にしないと思うんですが、ソニーはいいんですか?

「aiboは前代未聞のアジャイル開発だった」と語る松井直哉氏
ソニー事業開発プラットフォーム AIロボティクスビジネスグループ 商品企画部 統括部長
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松井氏 よくないです。ハードウエアでこんな完全なアジャイル型(仕様を全て固めず、仕様検討と設計、検証などを同時並行で進める開発手法)の開発は、ソニー社内でも聞いたことがありません(笑)。

石橋氏 普通はもう少し開発要素を絞ってから始めますよね(笑)

そんな無茶なやり方が今回うまくいったのはなぜでしょうか? リスクを負ってやると言っても限度があるように思います。

石橋氏 発売までの日程が短いので状況確認するタイミングを細かく設けて進みました。

 重量についてポイントの1つは、初期段階のまだモノが無い状態で個別の部品の重量の見積もり精度をどうやって高めるかです。

aiboに採用したマグネシウム合金フレーム
必要な剛性と軽量化の両方を満たすために採用された。樹脂製も試したがうまく行かなかったという。
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松井氏 割と初期の段階で「これくらいになる、大丈夫」って言い切っていたよね。

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