プログラマーとコーダーとの違いは何か。改めてそう聞かれたら、あなたはきちんと答えられるだろうか。まさか「両方とも同じじゃん」なんて思っている読者はいないだろう。だが具体的に何が違うのかを即座に説明できる人もあまりいないはずだ。プログラマーもコーダーもプログラム(コード)を書く仕事である。では何が違うのか。

 「プログラマーのほうがコーダーより高度な仕事をしている」。そう断言する人もいるかと思う。その通りだ。プログラマーの仕事はコーダーの仕事よりもはるかにレベルが高い。プログラマーの人なら全員同意するはずだ。ただ、「コーダーはプログラマーよりレベルが低い」と言い放っているわけだから、理由を説明しないまま済ませたらコーダーの人たちに失礼だ。

 コーダーはプログラマーに比べると、やや特殊な呼び方だ。パッケージソフトやゲームソフト、OSやミドルウエア、クラウドの基盤ソフト、どんなものであれプログラム(コード)を書く人は誰でもプログラマーだ。一方、コーダーはある特定分野のプログラマーを指す。

 随分持って回った言い方をしてしまったが、要は人月商売のIT業界(の一部)でプログラマーの代わりに使われる用語だ。多重下請け体制でシステム開発プロジェクトを推進する人月商売では、元請けの技術者はSE(システムエンジニア)と称し、プログラム(コード)はほとんど書かない。実際に書くのは下請けITベンダーの技術者たちだ。

 下請けITベンダーの技術者も「SE」の名刺を持たされているため話がややこしいが、彼ら彼女らはシステムをエンジニアリングする人ではなく、プログラム(コード)を書く人だ。で、人月商売のIT業界のかいわいではこんなふうに言う。「(下請けITベンダーの技術者は)SEというよりもプログラマー、と言うか、コーダーなんだよな」。

 さて、そろそろプログラマーとコーダーの違いについて、お分かりになってきただろうか。プログラムという言葉は本来「何かを行う手順」を意味する。例えば「売り上げ倍増、100日間プログラム」といった具合だ。つまりプログラマーとはコンピューターに何かを行う手順を教える人を指す。もちろん単に教える(書く)だけでなく、何かを行う手順、つまりプログラム自体を考える、設計するのもプログラマーの仕事だ。

 一方、コードという言葉の意味は「符号」だ。つまりコーダーと言った場合、単に符号(プログラミング言語)を書くだけの人を意味する。プログラマーのように何かを行う手順を自ら考え、設計することはない。プログラマーやコーダーの人はこの違いをよく認識しておいたほうがよい。プログラムを考えることなく設計書に沿ってコードを書いているだけでは単なる作業者であり、この先滅び去るしかない。

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