この「極言暴論」の記事はIT業界や技術者の間でちょくちょく物議を醸す。「暴論」とうたっているわけだし、人月商売のIT業界の悪弊やユーザー企業のIT部門の駄目さ加減などを徹底的にこきおろしているから、当たり前といえば当たり前だ。

 記事や私に対する大概の批判は感情的なものなので、「おいおい、もっと冷静になって現状をよく見たほうがいいぞ」と思いつつ、スルーすることにしている。ただ、あるテーマに関しては理性的な批判も多く、「この違いは何なのか」とずっと考えていた。

 そのテーマとは「プロジェクトマネジャーは誰が担うのか」である。私の答えは随分前から決まっている。「プロマネは技術者の仕事ではない」。そう言い切っていた。技術者が担っても構わないが、SEやプログラマーといった技術者カテゴリーの仕事とは全くの別物なのだ。

 だってそうだろう。プロマネはマネジメントが仕事なのだから当たり前である。技術者だけでなく営業担当者が担ってもよい。実際にSIerでは営業担当者が客のシステム開発案件でITベンダー側のプロマネを担うケースがある。ただ、繰り返すが、技術者や営業担当者という専門職の延長線上でプロマネをやるのではない。全く別の仕事である。

 ところが私がそんな記事を書くと、技術者と想定される読者から「プロマネは技術者でないと務まらない」といった反論が多数寄せられる。先ほど挙げた関連記事は、この極言暴論で5年ほど前に書いた記事だが、このときの反論はすごかった。少し前に別コラム「記者の眼」で改めて書いたときも、山のような反論が届いた。

 反論には「営業担当者にプロジェクト管理などできるはずがない」といった偏見に満ちた感情論や、「プロマネが技術者でないと炎上したとき、自らコードを書くなどの火消しに入れないだろ」という恐るべき意見もあった。何が恐ろしいって、指揮官であるプロマネが指揮を放棄して火消しに入ったら、かなりの確率で大炎上して部隊全滅の憂き目を見るぞ。

 ただ「プロマネが技術者でないと、プロジェクトで発生する技術的な課題が分からないし、現場の技術者の信任を得られない」という趣旨の最も多かった反論は、なかなか暴論流にばっさり切り捨てるのは難しい。それでも過去の記事ではばっさり切り捨てたのだが、実は「確かにその面はあるよな」とモヤモヤしていた。

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