米アップルの2018年7~9月期決算は非常に好調だったにもかかわらず、同社株は時間外から売り込まれ、株価が一時急落した。決算発表翌日の11月2日には時価総額が1兆ドルを割り込み、記事執筆時点でも下回ったままだ。投資家はアップルの決算と先行きに、どのような不安を抱いたのだろうか。

iPhoneの平均販売価格は急上昇

 まずはアップルの決算を振り返っておこう。

 売上高は前年同期比19.6%増の629億ドル。世界の全ての地域で2桁成長を記録し、日本は同33.8%増と最も成長率が高かった。希薄化後の1株当たり利益は同40.6%増の2.91ドルだった。

 主力となるiPhoneの販売台数は前年同期比0.5%増の4688万9000台だったが、売上高は同28.9%増の371億8500万ドルを記録。平均販売価格は前年同期の618ドルから793ドルに大幅に上昇した。

 一方、iPadの販売台数は同6.1%減の969万9000台。1000万の大台を割り込み、売上高も同15.4%減の40億8900万ドルだった。新モデルの遅れから、廉価版の販売が中心になったことが響いた格好だ。Macの販売台数も同1.6%減の529万9000台だったが、売上高は3.4%増の74億1100万ドルとなり、7~9月期としては過去最高を記録した。

 その他の製品の売上高は同31.0%増の42億3400万ドルだった。Apple WatchやAirPodsをはじめとしたウエアラブル製品が50%の伸びを記録しており、この傾向は今後も続くことが期待される。サービス部門の売上高は同17.4%増の99億8100万ドルだった。2桁成長が続いており、大台の100億ドル突破が見えてきた。

10~12月期の売上高予測で失望売り

 アップルの2018年7~9月期決算は至って好調だったが、株価は2日間で10%以上も下落した。その理由は、同時に発表されたガイダンスだ。2018年10~12月期の売上高の予測を890億~930億ドルとした。前年同期は883億ドルの売上高を記録しており、ガイダンスの下限が微増程度にとどまったことが悪材料となった。

 2018年度(2017年10月~2018年9月)の業績を振り返ると、各四半期で売上高の2桁成長を達成した。その要因は999ドルからに設定したiPhone Xの成功にある。2018年7~9月期の平均販売価格が前年同期比で175ドル上昇したことからも分かる通りだ。

 2019年度(2018年10月~2019年9月)も引き続き、999ドルからのiPhone XSと1099ドルからのiPhone XS Maxがラインアップに並び、廉価版とされるiPhone XRも749ドルからと平均販売価格に近い設定となっている。平均販売価格は高止まりのままか、さらなる上昇も想定される。