米メディア「Bloomberg Businessweek」が2018年10月(米国時間)に公開した特集記事「The Big Hack:How China Used a Tiny Chip to Infiltrate U.S. Companies」を受け、米テクノロジー企業に衝撃が走った。

 同記事によると、中国で製造された米スーパーマイクロコンピュータのマザーボードに米粒の半分ほどの白っぽいマイクロチップが埋め込まれており、中国が同チップを通じて米国の知財や機密情報にアクセスしていたという。その対象には米アップルや米アマゾン・ドット・コムなどの名前が挙がり、アップルはプレスリリースで激しく反論。米議会に否定の書簡も出した。

 アップルは同記事にあったような不正なチップの存在およびその認知だけでなく、本件で米連邦捜査局(FBI)などの捜査当局と連絡を取ったことはおろか、捜査を受けたこともないと否定している。

 スーパーマイクロのサーバーはSiriで使用しておらず、ソーシャル分析のTopsyで使用していた台数も記事にある7000台ではなく、2000台だという。これらのサーバーに不正なチップが搭載されていた事実はなく、同社で除去して使用した経緯もないとした。

 アップルは上記の報道を「誤り」と結論付けた。同プレスリリースは広報部が発信しており、セキュリティや調達に関連する責任者の名前は登場していない。一方、アマゾンはAWS(Amazon Web Services)でCISO(最高情報セキュリティ責任者)を務めるスティーブ・シュミット氏がセキュリティブログで一連の報道を否定した。

肯定も嘘もあり得ないアップル

 アップルは記事が掲載される前に反論の書簡をBloomberg Businessweekに送っており、これを同社サイトですぐに公開した。同社にとって否定しなければならない重大な問題だという認識の表れだ。

 同社はこれまで、セキュリティとプライバシーに対して厳しい姿勢で臨んできた。

 2016年には銃乱射事件の容疑者が使用していたiPhoneのロック解除をFBIに求められたが、拒否した。FBIは最終的に別の方法でロック解除したものの、アップルはOSの更新を実施。USBケーブルを介した端末のアクセスにもパスコードを必須として、セキュリティの強化を図った。

 2018年に騒然となった米フェイスブックの情報流出に対しても、「ユーザーのデータは我々の商品ではない」(ティム・クックCEO)としたうえで、厳しく批判してきた経緯がある。