米アップルは2018年9月21日に発売したiPhone XSの価格を999ドルからとiPhone Xと同じに据え置き、大画面モデルのiPhone XS Maxについては1099ドルからとさらに高い価格を設定した。

 ティム・クックCEO(最高経営責任者)は9月18日、米国の朝のニュース番組「Good Morning America」に出演し、「iPhoneを万人に届けたい」と説明。米国のメディアで批判の多い価格については、ほとんどのユーザーが携帯電話事業者を通じて購入しており、1000ドルのスマートフォンも1日1ドル程度で利用できる点を強調した。

 日本では携帯電話大手の「2年縛り」や「4年縛り」を問題視する声が高まっているが、米国の携帯電話大手でも端末価格を分割払いで毎月支払いながら、1年後に端末の下取りで最新機種に変更できる「アップグレードプログラム」を展開している。

 アップル自身もApple Storeを通じて同様の「iPhone Upgrade Program」を提供する。携帯電話大手より若干高いが、保証サービスの「Apple Care+」が付帯し、毎年のアップグレードと月額のサブスクリプションモデルを推進してきた。

 スマートフォンが飽和状態の先進国で売り上げを維持すると同時に、回収したスマートフォンを再整備して新興国で安価に展開する。インドのように「iPhoneが高すぎる」として全く受け入れられなくなりつつある市場もあるものの、着実に手を打っている。

ほぼ日本のための予備電力機能

 スマートフォンはモバイル端末であり、基本的にポケットやカバンの中にしまって持ち歩き、必要なときに使う。そこにカメラや財布、コミュニケーション、健康管理、仕事の効率化といった様々な役割を盛り込んできた。このため、バッテリーは重要だ。

 例えば日本ではSuicaで電車に乗り、コンビニで買い物し、コインロッカーの鍵としても使える。SuicaをiPhoneに入れられるようになったのは2016年発売のiPhone 7以降からだが、ここでもバッテリーの問題があった。iPhoneのバッテリーがなくなると、Suicaも一緒に使えなくなってしまったのだ。

 そこでアップルは今回、現状ではほぼ日本のためだけと言える予備電力機能「Express Cards with power reserve」をiPhoneのNFCに追加した。Androidスマートフォンでは既に取り組まれてきたものではあるが、世界中で販売するiPhoneに同機能を追加してきた点は印象的だった。

 日本は世界でもモバイル端末を先進的に活用する国の一つである。そこで必要な機能は将来、世界中で必要になるとアップルは考えているのではないだろうか。