米アップルは2018年2月1日、2017年10~12月期決算を発表した。事前にはiPhone Xの不調が伝えられ、業績への懸念が高まったが、予想を覆す好決算だった。

 売上高は前年同期比13%増の883億ドル、純利益は同12%増の201億ドル、1株当たりの利益(希薄化後)は3.89ドルと、いずれもアナリストの予想を上回った。米国外の売上比率は65%だった。

iPhoneの販売台数は伸び悩むも売上高は増加

 2017年のiPhoneの新モデルはiPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xの3つ。このうち、iPhone 8/8 Plusを2017年9月、iPhone Xを2017年11月に発売した。

 ティム・クックCEO(最高経営責任者)は決算発表の電話会議で、iPhone Xの売れ行きが予想以上であり、2017年11月の発売以降、週次で最も販売台数が多かったのがiPhone Xだったと触れた。

 iPhone Xの価格は999ドル~となっており、iPhone 8に比べて300ドル、iPhone 8 Plusに比べて200ドル高い。iPhoneの販売台数は前年同期比1%減だったにもかからず、売上高は同13%増となった理由は、iPhone Xの販売比率が高かったからと推測できる。

 ただ、iPhone 8の価格もiPhone 7に比べて50ドル高くなっており、iPhone X以外の機種でも記憶容量の拡大に伴い、販売価格が上昇傾向にあった。アップルはスマートフォンのビジネスの転換を目指していることがうかがえる。

スマホ出荷台数が青天井で伸びる時代は終わった

 調査会社の米IDCは2018年2月1日、2017年10~12月期のスマートフォンの世界出荷台数が前年同期比6.3%減の4億350万台だったと発表した。

 同発表のハイライトは「アップルが韓国サムスン電子の出荷台数を抜いた」というものだったが、それ以上に注目すべきは「スマートフォンの世界出荷台数で上位5社のうち、中国Xiaomi(小米科技)以外は前年同期比で出荷台数が減少した」ことだ。今後の経過を観察する必要はあるが、もはや出荷台数が青天井で伸びる時代ではなくなった。

 そうなると、各メーカーは単純な買い替えや他社からの乗り換えで需要を喚起していかなければならない。これまで出荷台数の拡大で獲得してきた利益も単価の上昇で補う必要がある。

 つまり、高性能のスマートフォンを新規顧客に安い価格で販売すればよかった時代から変質していくことを意味する。今後のキーワードは「体験の豊かさ」や「高付加価値」。この2点に注力する企業はアップルしか見当たらないのが現状だ。

 こうしたスマートフォン市場の変質もしくはルールの崩壊をアップルは待ち構えていたようにも見える。もちろん、準備を万端に整えた状態でだ。

アクティブデバイス数は13億台に到達

 ティム・クックCEOはiPhoneの販売台数について、同社のビジネスの表層しか映し出していないと指摘している。さらには顧客のロイヤルティ(忠誠心)や満足度、アクティブデバイス数といった長期的な視点を重視しているという。

 上記は販売台数が伸びなかったことに対する投資家への言い訳ではあるが、本質はもう少し別のところにある。

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