2017年秋に国内で発売された主要3機種のAIスピーカーを分解するこの企画。対象は3機種に留まらず、国内未発売の米アップル(Apple)「HomePod」にも及んだ(関連記事)。実は、勢いを駆ってもう1機種を分解した。LINEの「Clova Friends」だ。

今回分解したのはLINEのクマ形キャラクターのブラウンを模した「Clova Friends BROWN」。いわゆる「色違い」として、トリ形のサリーを模した「Clova Friends SALLY」がある(撮影:加藤 康、以下同じ)
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 Clova Friendsは、LINEの第2弾AIスピーカーだ。同社の人気キャラクターを模した外観だが、価格的に「Amazon Echo Dot」(米アマゾン・ドット・コム、以下アマゾン)や「Google Home Mini」(米グーグル)などと競合する、簡易版のAIスピーカーと言える。

 実際、とにかく価格が安い。リリース発表時の本体価格は8640円(税込み)としていたが、当初から2018年3月31日まで音楽配信サービス「LINE MUSIC」(月額960円)6カ月分込みの「Clova Friends + LINE MUSICセット」を6750円(税込み)で販売した。しかも同セットは2018年3月~4月1日までは家電量販店などで半額の3369円(税込み)で販売されていた。半額セールでは「(LINE MUSIC分を考えると)実質無料どころかマイナス」となり、普及を優先した戦略に見える。

 LINEにとって初のハードウエア製品かつ初のAIスピーカーは、「Clova WAVE」(2017年10月発売)である。分解したエンジニアたちは、中身の“突貫工事”ぶりに驚き、その設計を「初心者」と表現した(関連記事)。赤外線リモコンや2次電池内蔵など独自の多機能化を目指す半面、音響設計に無駄が見られたりノイズ対策部品が多用されるといった様子がうかがえたからだ。

分解したClova WAVE。部品点数が多く、ノイズ対策部品が目立つ。外装デザインは高級感があるのに対して、スピーカーの筐体剛性が弱いなど意外にも音響へのこだわりは強くない印象を受けた
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 第2弾となるClova Friendsの発売は、Clova WAVEの発売からわずか2カ月後の2017年12月。Clova Friendsは短期間でどれだけ進化したのか、“戦略的投げ売り”に耐えうるコスト低減を実現したのか。早速分解して中身を確認していこう。

製造元は韓国のハードウエアベンチャー

 今回分解したのは、クマ形の「Clova Friends BROWN」だ。外形寸法は72mm×72mm×170.3mm。寸法としては「Google Home」(グーグル)や「Amazon Echo」(アマゾン)に近いが、それらよりやや細長い。

 AIスピーカーの分解における最初の一手の基本は「底」だ。HomePodではこの思い込みのせいで若干痛い目にあったが、今回は正解だった。底のゴムシートをはがすとネジが現れた。ちなみに、ゴムシートには技適マーク(特定無線設備の技術基準適合証明等のマーク)のほかに、「輸入販売元:LINE株式会社 製造元:Infomark Co. Ltd. DC-IN 5V=2A MADE IN KOREA」の文字があった。

底のゴムシートをはがすと、ネジが現れた
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 韓国インフォマークのホームページによると、同社は2002年に設立された、モバイルルーターや子供向け携帯電話機(キッズフォン)、子供向けスマートウォッチなどを手掛ける企業とのことだ。2016年にはIoTによる牛管理システム事業に進出したほか、2017年には「子供×IoT」をテーマに知育に向けたスマート玩具プラットフォーム「ロボラン」を市場投入した。さらに「国内最大のインターネットポータル企業とAIスピーカーを製造する」とあり、それがClova Friendsに該当するとみられる。

 改めて1号機のClova WAVEの底面を確認すると、「製造元:LINE Corpotation」「MADE IN CHINA」との文字があった。Clova WAVEはおそらく設計をLINEが手掛け、中国でOEMまたはODM生産しているようだ。同じClovaシリーズだが、この2機種の関係は意外にも薄いのかもしれない。

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