外装ファブリック(布)を脱がすのに苦労したり、「謎の糸」の出現に驚いたり…。初っ端から一筋縄ではいかない米アップル(Apple)のAIスピーカー(スマートスピーカー)「HomePod」の分解。前回は外装を外してメイン基板を取り出し、その下のスピーカーの心臓部であるアクティブドライバーが現れるまでを紹介した。HomePodでは主に、低音域を再生するアクティブドライバーとして「ウーファー」を採用している。

HomePodは、直径142mmの大きさを生かし、ほかのAIスピーカーに比べると大型のウーファーを搭載している(以下、撮影:加藤 康)
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 HomePodは直径が142mmと、外形寸法が大きいだけあって、ウーファーの口径も大きい。このウーファーを外すには、やはり筐体上部の接着部を外さなければいけないようだ。再び超音波カッターを使って接着面に切り込んでいく。

超音波カッターやヘラを使って接着部の切断を試みる
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 しかし超音波カッターというハイテクを使っても切れる気配がない。こうなったら力ずくだ。とうとう糸ノコ、そしてバンドソーまで登場した。

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糸ノコ(左写真)とバンドソー(右写真)で切断を試みる

 最後は弓ノコの刃による切断を試みることになった。

最後は地道な手段で、HomePodとの根比べになった
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 そしてついに御開帳!「恐らく、はめ込み部分をさらにグルーのような熱可塑性樹脂を使った接着剤で固めていたのではないか」とエンジニアは推測した。

強固な接着部分の切断に成功。ウーファーを固定するネジを回せる状態になった
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 ネジを外し、ようやく巨大なウーファーが全容を現した。手にズシリと重みが加わる。手元の秤によれば約1350g。HomePod本体の重量は2.5kgだから、重さの半分以上をウーファーが占めるということになる。

1.4kg近い重さだったHomePodのウーファー。固定していた枠には、ウーファーとの間に挟まるようにスポンジ製のOリングがはめられていた
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 ちなみに、これまで分解したAIスピーカーでウーファーなどのアクティブドライバー部分の重量は「Amazon Echo」(米アマゾン・ドット・コム)が約410g、「Google Home」(米グーグル)が約140g、「Clova WAVE」(LINE)の場合は外せなかった周辺樹脂筐体などを含めて約170gだった。スピーカーの音質を決める要素の1つにアクティブドライバーの磁石の大きさがある。HomePodはまさに「桁違い」のアクティブドライバーを搭載している、と言えよう。

 デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏が「HomePodは次元が違う」と評価したのも納得できる(関連記事「アップルHomePodは『次元が違う』音質、AIスピーカー聴き比べ」)。

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